ハマス、ガザ統治の権限移管に「完全に準備」 テクノクラート委が始動
ガザを実効支配するハマスは2026年1月19日、戦後のガザを暫定的に運営する新設の「パレスチナのテクノクラート委員会」に対し、行政権限の移管手続きに「完全に準備ができている」と表明しました。停戦後の統治の形をめぐる議論が、いよいよ実務段階に入ろうとしています。
何が発表された?――「円滑で秩序ある移行」を約束
ハマス運営のガザ政府メディア局による声明は、移管に向けて「円滑で秩序ある移行」を確保し、次の点を守るとしています。
- 公務部門(公共部門)の権利の保護
- 民間人向けの基礎的サービス(必須サービス)の継続
同時に声明は、今回の行政移行を「ガザ和平合意の第2段階」の一部に位置づけつつ、イスラエルによるガザでの「侵攻(aggression)の完全な終結」を強く結びつけました。
テクノクラート委員会とは――15人規模、カイロで正式始動
戦後のガザを暫定的に運営する15人のテクノクラート委員会は、先週金曜(1月16日)にカイロで会合を開き、公式に活動を開始したとされています。優先課題として挙げられたのは、ガザの「人道(humanitarian)案件」です。
委員会は当初、先週木曜(1月15日)にカイロ入りする予定でしたが、エジプト側の関係者が新華社に語ったところによると、イスラエル側の妨害で1日遅れたとされています。
政治的メッセージ:復興と「権利・主権」をどう結びつけるか
声明は、パレスチナ側には復興を進める「固有の権利」があるとし、それが「パレスチナの民族的権利と主権を損なわない形」で実施されるべきだと強調しました。また、東エルサレムを首都とする独立したパレスチナ国家という目標も改めて掲げています。
行政の引き継ぎという実務の話題でありながら、復興の進め方や最終的な政治目標と不可分だ、という立て付けになっている点が特徴です。
一方で現地の暴力は続く――民間人被害の報告
ただ、統治移行の話が進む一方で、現地の緊張は収まっていません。ガザ民間防衛(Civil Defense)のマフムード・バサル報道官は19日、新華社に対し、ハンユニスやラファ周辺の別々の事案で、イスラエルの攻撃によりパレスチナ人3人が死亡したと述べました。
同報道官は、避難所や民間地域が繰り返し標的になっていると主張し、人道・国際法に反するとの見方を示しています。現地筋からは、ハンユニス東部への空爆や、ガザ東部への砲撃、住宅の破壊があったとも伝えられました。
これら最新の事案について、イスラエル側は現時点でコメントしていないとされています。
数字で見る停戦後――死亡者数の推移(ガザ当局発表)
ガザの保健当局によると、2025年10月にハマスとイスラエルの停戦が発効して以降、少なくとも465人のパレスチナ人が死亡したとされます。さらに、2023年10月以降の累計死者数は7万1550人に達したと、19日に発表しました。
この先の焦点:統治の「手続き」と「現場の安全」を同時に進められるか
今回のポイントは、統治の枠組みを整える技術的な手続き(権限移管・サービス継続)と、現場で続く暴力の抑制、人道状況の改善が同時並行で問われるところにあります。テクノクラート委員会が掲げる「人道案件」の優先が、どこまで具体的な改善につながるのか。停戦合意の第2段階をめぐる動きとあわせ、今後の進展が注目されます。
Reference(s):
cgtn.com







