トランプ氏の「グリーンランド購入」要求にEU反発、関税で応酬へ
2026年1月、米国のドナルド・トランプ大統領がグリーンランドの主権をめぐる要求を強め、同時にNATO同盟国への追加関税を打ち出したことで、欧州連合(EU)が対抗措置の検討に入っています。焦点は「安全保障」と「貿易」を結びつける交渉手法が、同盟関係と国際秩序にどんな摩擦を生むのか、という点です。
何が起きたのか:発言と発表の流れ
報道によると、トランプ大統領は直近の土曜日(2026年1月17日)に、2月1日からの関税措置を発表しました。続く月曜日(1月19日)にはNBC Newsの取材で、グリーンランドをめぐる姿勢と関税方針を改めて示しています。
- 1月17日:2月1日から、デンマークなどへの10%関税を導入すると表明
- 1月19日:軍事力行使の可能性を問われ「ノーコメント」。一方で関税については「100%やる」と発言
関税は「購入交渉」とセットに
今回の関税方針は、単なる貿易政策としてではなく、トランプ大統領が求める「グリーンランドの完全かつ全面的な購入」と連動して示されています。
対象と条件(提示された内容)
- 2月1日から:デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランドから米国に入る製品に10%関税
- 6月1日から:合意が成立しない場合、関税を25%へ引き上げる可能性を示唆
グリーンランドとは:自治と主権の位置づけ
グリーンランドは世界最大の島で、デンマーク王国の一部として自治が認められている地域です。防衛と外交はコペンハーゲン(デンマーク側)が担っています。米国は島内に軍事基地を維持しているとされています。
トランプ大統領は、2025年に政権復帰して以降、繰り返しグリーンランドを「得たい(obtain)」と表現し、直近では「世界の安全保障のために、米国によるグリーンランドの完全かつ全面的な支配が不可欠だ」と述べたと伝えられています。
EUはなぜ警戒するのか:「主権は取引条件ではない」
今回、EUが「自らの措置で打ち返す」選択肢を検討しているのは、関税そのものへの反発に加え、同盟国(デンマーク)に関わる主権問題が、通商圧力と組み合わされた点が大きいとみられます。
軍事力行使の可能性については「ノーコメント」とされたものの、関税の実施は「100%」と明言され、交渉の圧力としての実効性が強調されました。結果として、NATO内の結束、EUの対米通商姿勢、そして北極圏をめぐる安全保障の議論が一つの束になって動き始めています。
今後の焦点:2月1日と6月1日
目先の節目は2月1日です。関税が予定通り発動されるのか、EUがどの程度の対抗策を準備するのかが注目されます。さらに6月1日には、合意の有無によって関税が25%へ引き上げられる可能性が示されており、交渉の駆け引きが強まる展開もあり得ます。
「安全保障上の必要」と「主権の扱い」、「関税という圧力」。この3つが同時に語られる局面で、当事者がどこまで踏み込むのか。欧州側の次の一手が、米欧関係の温度感を決める場面になりそうです。
Reference(s):
'Sovereignty not for trade': EU ramps up to U.S. Greenland threat
cgtn.com








