東エルサレムのUNRWA施設をイスラエルが解体、国連が強く非難
2026年1月20日(現地時間)、東エルサレムのUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の施設の一部がイスラエル当局によって解体され、国連やパレスチナ側から強い非難が相次いでいます。国連施設の「不可侵性」をめぐる問題として、国際社会の関心が集まっています。
何が起きたのか:UNRWAの敷地内で建物を解体
目撃者やパレスチナ側の情報によると、イスラエル部隊がブルドーザーを伴い、東エルサレムのUNRWA施設(シェイク・ジャラ地区のコンパウンド)に入り、移動式オフィスなど複数の建物を取り壊しました。
解体後、施設に掲げられていた国連旗が取り外され、イスラエル旗に置き換えられたとされています。
UNRWAトップ「国連機関への前例のない攻撃」
UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は、SNS(X)への投稿で、今回の動きを「国連機関とその施設に対する前例のない攻撃」と表現し、「国際法への公然かつ意図的な挑戦の新たな段階」だと述べました。
また、国際機関全体の安全にとって「危険な前例」になり得るとして警鐘を鳴らしています。
国連事務総長も非難:「施設は国連の敷地で不可侵」
国連のアントニオ・グテーレス事務総長も同日、イスラエル当局の解体行為を「最も強い言葉で」非難したと、国連のファルハン・ハク副報道官が声明で明らかにしました。
声明によれば、グテーレス事務総長は2026年1月8日にイスラエル首相へ書簡を送り、シェイク・ジャラのコンパウンドが「国連の敷地であり、不可侵で、いかなる干渉からも免除される」と、繰り返し明確に伝えていたといいます。
国連側は、イスラエル政府に対し、
- 解体を直ちに停止すること
- 当該施設および他のUNRWA施設を遅滞なく国連に返還し、原状回復すること
を求めました。
さらに国連は、UNRWAに対する「エスカレートする行動」は「到底受け入れられない」とし、国連憲章や「国連の特権及び免除に関する条約」を含む国際法上の義務と整合しない、との認識を示しています。
パレスチナ側の反発:PLOと外務省が相次ぎ非難
パレスチナ解放機構(PLO)は今回の動きを国連に対する「露骨な攻撃」だとして非難しました。PLOの難民問題担当部門は、東エルサレムにおけるUNRWAの人道的・政治的プレゼンスを排除する狙いがあるとし、国際社会に介入を促し、「国際システムの崩壊」を防ぐよう訴えたとされています。
また、パレスチナ外務省(在外同胞担当)は、今回の行為が国際法や慣習規範への重大な違反であり、イスラエルの義務違反に当たると非難。国連および国連加盟国、とりわけUNRWAを支援する国々に対し、国際機関の特権・免除を尊重させるための「緊急かつ効果的な措置」を求め、同機関の存続と活動に影響する「違法な行為」を認めないよう呼びかけました。
いま注目される点:「国連施設の保護」と「現場での既成事実」
今回の焦点は、国連が主張する施設の不可侵性と、現場で進む解体などの行為が衝突している点にあります。国連側は、国際機関の安全確保という観点からも「前例」になり得ると強い危機感を示しました。
一方で、現場で旗の掲げ替えまで起きたとされ、象徴面でも緊張が高まっています。今後、国連と当事者の間で、施設の扱いをめぐるやり取りがさらに注目されそうです。
Reference(s):
Israel's demolition of UN site in East Jerusalem sparks condemnation
cgtn.com








