トランプ氏のグリーンランド取得圧力に欧州が反発、ダボスで連帯表明 video poster
米国のドナルド・トランプ大統領がグリーンランドの取得に向けて圧力や脅しを強めているとして、欧州側の非難と反発が広がっています。2026年1月21日現在、世界経済フォーラム(WEF)年次総会が開かれているスイス・ダボスでも、EU首脳から主権を強調する発言が相次ぎました。
何が起きているのか:取得圧力と「関税」を絡めた示唆
今回の焦点は、トランプ大統領がグリーンランドの獲得に向けて圧力や脅しを強めているとされる点です。報道では、取得をめぐる発言に加え、関税を梃子(てこ)にするような示唆も含まれるとして、各地で抗議や批判が起きています。
EU側の反応:「主権と領土一体性は交渉不可」
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、現地時間の火曜日(1月20日)、EUはグリーンランドとデンマーク王国に「完全に連帯する」と述べ、主権と領土の一体性は「交渉の余地がない」と強調しました。
同氏はダボスでの特別演説で、欧州は「新たな安全保障の構造と現実」に適応する必要があるとし、独自の安全保障戦略を準備していると説明。北極戦略の強化も含め、戦略文書を2026年中に公表する考えを示しました。
さらに「中心にあるのは、主権を持つ人々が自らの未来を決めるという原則だ」と述べています。
「主権は取引ではない」:欧州議会でも強い言葉
同じ1月20日、EU外務・安全保障政策上級代表のカヤ・カラス氏は、欧州議会の本会議でグリーンランドをめぐる最近の米国側発言に触れ、「グリーンランドはその人々のものだ。脅しや関税でそれは変わらない。主権は取引の対象ではない」と述べました。
マクロン仏大統領:対抗措置として「反威圧メカニズム」も視野
フランスのエマニュエル・マクロン大統領はダボスで、グリーンランドに関連づけられた米国の関税の脅しに対し、EUは反威圧メカニズム(anti-coercion mechanism)の発動を「ためらうべきではない」と発言しました。これは、相手からの経済的な威圧(圧力)に対抗するためのEUの枠組みです。
マクロン氏は、米国による「新たな関税の終わりなき積み上げ」を批判し、「根本的に受け入れがたい」と指摘。「領土主権に対する梃子として使われるなら、なおさらだ」と述べました。
また、国際法が踏みにじられ、共同統治が弱体化することで「強者の法」が広がりかねないとして、多国間主義への再コミットを訴えています。
ベルギー首相:トランプ氏に「一線を越えている」と直接伝える構え
ベルギーのバルト・デ・ウェーフェル首相も、トランプ氏のグリーンランド併合の脅しを強く非難。報道によると、首相は水曜日(1月21日)に予定されるトランプ氏との会談で、「レッドライン(一線)を越えている」と本人に伝える考えを示しました。
首相は「喜んで家臣でいることと、惨めな奴隷でいることは別だ」と述べ、強い言葉で牽制しています。
なぜ今、北極が政治の最前線に出てくるのか
フォン・デア・ライエン氏が「北極戦略の格上げ」に言及したように、北極は安全保障や航路、資源、インフラなど複数の論点が重なる地域として注目が続いています。今回の件は、領土や主権という原則論に加えて、関税など経済手段が外交の圧力として使われうる、という不安も呼び起こしました。
この先の注目点:EUの新戦略と、言葉が現実を動かす局面
- EUの安全保障戦略と「強化された北極戦略」:2026年中の公表が予告されました。
- 関税をめぐる応酬の行方:マクロン氏が示した反威圧メカニズムの扱いが焦点になります。
- 1月21日の会談(予定):ベルギー首相がどのように問題提起するのか、政治的メッセージが注目されます。
「主権は交渉不可」という原則が、同盟関係や経済政策とぶつかるとき、各国・各機関はどんな言葉と手段を選ぶのか。ダボスでの発言が、次の一手を静かに方向づけていきそうです。
Reference(s):
'Unacceptable': Condemnation grows over Trump's Greenland threats
cgtn.com







