英上院、16歳未満のSNS利用禁止案を可決 政府は夏の協議結果待ち
英国で、16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止する動きが大きく前進しました。上院(貴族院)が関連する修正案を可決し、子どものオンライン環境をどう守るかが、政府と下院(庶民院)に改めて突きつけられています。
何が起きた?──英上院が「16歳未満SNS禁止」修正案を可決
英上院は今週水曜日、16歳未満のソーシャルメディア利用を禁じる修正案に賛成多数で可決しました。票数は賛成261、反対150でした。
この修正案は野党・保守党のジョン・ナッシュ議員が提出し、労働党と自由民主党の上院議員が共同提案者として名を連ねています。可決後、ナッシュ議員は「子どもの未来を最優先した。SNSが一世代に与える壊滅的な害を止めるプロセスが始まる」と述べました。
政府の立場──「選択肢は排除せず」も、まずは協議の結論待ち
一方、首相官邸(ダウニング街)は採決前、政府としてはこの修正案を受け入れない方針を示していました。
キア・スターマー首相は今週月曜日、子どもを守るための行動を約束しつつも、「いかなる選択肢も排除しない」と述べるにとどめています。政府側は、この夏に結果が出る予定の協議(コンサルテーション)を踏まえてから立法判断をしたい考えです。
背景に豪州の先行例──「後れを取るな」の声が強まる
今回の議論を加速させた要因の一つが、豪州の動きです。豪州では昨年12月10日以降、16歳未満がソーシャルメディアアプリを使えない仕組みが導入されました。
英国でも、野党側だけでなく与党・労働党内からも「同様の禁止措置を」と求める声が増えており、報道によれば労働党議員60人超がスターマー首相に賛同を促しています。
これからの焦点──下院がどう判断するか
上院で可決された修正案は、次に労働党が多数を握る下院で審議されます。ここで修正案が維持されるのか、政府方針に沿って修正・撤回されるのかが当面の焦点です。
「禁止」で何が変わる? 論点は実効性と運用
16歳未満のSNS利用を禁じる政策は、賛否が割れやすいテーマでもあります。議論のポイントは、理念だけでなく運用面にあります。
- 年齢確認:本人確認をどこまで求めるのか、事業者の負担やプライバシーとの両立が課題になります。
- 実効性:アカウントの作り直し、保護者名義の利用など「抜け道」をどう扱うかが問われます。
- 子どもの保護:心身への影響や有害情報への接触をどう減らすのか、教育・医療現場の知見も重要になります。
- 表現とアクセス:一律の禁止が、必要な情報へのアクセスまで狭めないかという見方もあります。
今の時点で見えていること
2026年1月22日現在、英国では「子どもを守るためにどこまで踏み込むか」をめぐり、上院の可決と政府の慎重姿勢(夏の協議結果待ち)が並走しています。豪州の先行例があるからこそ、制度設計の細部──年齢確認、事業者責任、救済策──が、次の審議でより具体的に問われそうです。
Reference(s):
cgtn.com








