グリーンランド巡りEU結束を訴え:スウェーデン首相、米が一歩後退と評価
【ポイント】2026年1月22日、スウェーデンのウルフ・クリステション首相は、グリーンランドをめぐる米国の動きを受け「EUが結束して行動する重要性がはっきりした」と述べました。北極圏の軍事演習も視野に入り、外交と安全保障が同時に揺れています。
ストックホルムでの会見:欧州は「団結の学び」を得た
クリステション首相は1月22日(木)、ストックホルムでの記者会見で、グリーンランド問題と米国との関係に言及しました。会見にはマリア・マルメル・ステネルガルド外相、エリザベト・スヴァンテソン財務相も同席しました。
首相は「昨日は、これからEUとしてどう一緒に動けるかを学ぶ良い機会だった」と述べ、さらに「団結した欧州が米国を後退させることができた」と語りました。
米国側の発言:交渉枠組み、関税見送り、そして「即時交渉」
米国のドナルド・トランプ大統領は1月21日(水)、NATOのマルク・ルッテ事務総長との協議を踏まえ、グリーンランドに関して「将来の合意に向けた枠組み」ができたと述べました。また、2月1日に発効予定だった欧州8カ国への関税措置を進めないとも話しました。
一方でトランプ大統領は、グリーンランドを軍事力で取る意図はないとしつつも、米国による同地域の取得に向けた「即時の交渉」を求め、「国家および国際安全保障上の戦略的利益」だと説明しました。
「落ち着いた」が、強硬なレトリックは残る
クリステション首相は、差し迫った危機はいったん和らいだとしながらも、デンマーク、グリーンランド、そして欧州に向けた米国の厳しい言葉は残っているとの認識を示しました。将来の解決策の詳細については「分からない」と述べています。
北極圏の安全保障:スウェーデンは関与拡大に含み
首相は、欧州の安全保障環境が第二次世界大戦以降で最も深刻だとしたうえで、グリーンランドおよび北極圏全体で、より強い軍事的プレゼンス(存在感)に貢献する用意があると語りました。
これに先立ち、フランス、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、オランダ、英国など複数の欧州諸国は、デンマークとグリーンランドの主権を支持する姿勢を示すため、軍事演習「Arctic Endurance」へ人員を派遣すると表明していました。
NATOも「今後数カ月」の北極圏演習を示唆
NATOは1月22日、北極圏で近い将来に実施する軍事演習を、すでに事前計画していると明らかにしました。北極圏がNATOにとって戦略的に重要な地域だとしたうえで、軍事委員会議長のジュゼッペ・カヴォ・ドラゴーネ氏は、今後数カ月に向けて演習や訓練活動を計画していると説明しています。
いま注目される論点:外交の言葉と、現場の動き
- EUの結束:今回の一連のやり取りを、欧州側が「団結の効果」と位置づけた点
- 交渉の行方:米国が求める「即時交渉」と、欧州側の対応の落としどころ
- 北極圏の軍事的緊張:演習や派遣が、抑止と不安定化のどちらに働くのか
- 2月1日の節目:関税が「見送り」とされた後も、通商カードが再び持ち出される余地
グリーンランドをめぐる議論は、領土や資源だけの話にとどまらず、同盟の結束、交渉の言葉、そして北極圏の安全保障という「複数のレイヤー」が重なって進みます。次のニュースは、交渉の具体像と、演習の規模・時期がどこまで明らかになるかに集まりそうです。
Reference(s):
Swedish PM urges EU unity after U.S. steps back on Greenland
cgtn.com







