トランプ氏「イランへ大艦隊」発言 “使わない可能性”も示唆
2026年1月下旬、米国のトランプ大統領が「イラン方面に“巨大な”海軍戦力が向かっている」と語り、ただし「使わないかもしれない」とも付け加えました。軍事的な備えと抑止のメッセージが同時に投げ込まれたことで、米国とイランの緊張の温度感が改めて注目されています。
何があった?――「大艦隊が向かっている」と発言
トランプ大統領は1月22日(現地時間)、世界経済フォーラム(WEF)出席後にダボスから帰国する機内(エアフォースワン)で記者団に対し、次のように述べたとされています。
- 「念のため、あの方向に多くの船が向かっている」
- 「大きな船団(flotilla)が向かっている。どうなるか見よう」
- 「大艦隊(armada)だ。大規模な艦隊が向かっている。使わないで済むかもしれない」
“向かっている”という強い言い回しの一方で、“使わない可能性”を同時に示した点が特徴です。実際の運用目的が威嚇なのか、抑止のための予防的配置なのか、受け取り方の幅が残る表現でした。
イラン側の反応――「誤算を避けよ」と警告
これに先立ち、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)のモハンマド・パクプール司令官は、米国とイスラエルに対して「いかなる誤算も控えるように」と警告し、より強い結果を招く可能性に言及したと伝えられています。
また、イラン側は「引き金に指をかけている」「これまで以上に準備ができている」「最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の命令を実行する用意がある」といった趣旨の発言もあったとされ、対外的には“即応態勢”を強調する構図です。
背景にある「抗議行動」と米国の強い言葉
報道によれば、緊張が高まった背景として、イラン国内での12月〜1月の抗議行動をめぐる米国側の発言があります。トランプ大統領は、当局が抗議行動に武力を用いるなら介入すると示唆し、イランの人々に対して「可能なら」制度を掌握するよう促す趣旨の呼びかけや、「抗議者を守るため“locked and loaded(即応態勢)”だ」といった表現を繰り返したとされています。
一方で、イラン政府は抗議行動中の暴力や死傷者をめぐり、米国とイスラエルに責任があるとの見方を示してきたとされます。
死者数の報告と、深まる非難の応酬
イランの外相セイエド・アッバス・アラグチ氏は今週、米国の脅威が「企てる側に動機を与えた」と述べ、「最大限の流血」を狙う戦略だと表現したと伝えられています。さらに、ハメネイ師は先週のテレビ演説で、米大統領を死傷者や損害などをめぐって強く非難したとされています。
死者数については、イラン国営テレビIRIBが1月22日に「混乱の中で3,117人が死亡し、そのうち2,427人は『罪のない民間人と治安部隊』に分類される」と報じたとされています。数字の受け止めや検証のあり方も含め、国内外で情報の出し方が政治的意味を帯びやすい局面です。
今後の焦点――「抑止」と「偶発」のあいだ
今回の「艦隊」発言は、軍事行動を明言したものではない一方、偶発的な衝突リスクが語られやすい環境を生みます。国際ニュースとしての注目点は、次の3つに整理できます。
- 軍の動きが何を意図するか:示威か、実務的な防護措置か。
- 発言の応酬がエスカレート管理に与える影響:強い言葉ほど“誤算”の余地も広がる。
- 抗議行動をめぐる情報戦:死傷者や責任の語り方が、外交・安全保障と結びつきやすい。
「使わないかもしれない」という一言が添えられた今回の発言は、緊張を上げるだけでなく、相手の出方を探る余白も残しました。次に出るのが追加の軍事的措置なのか、外交的なメッセージなのか。中東情勢は、言葉と行動の間の“間合い”が試される局面にあります。
Reference(s):
cgtn.com








