スーダンの子ども800万人が就学できず 紛争で「教育崩壊」の危機と支援団体
スーダンの紛争で、学齢期の子どもの約半数(800万人超)が教育から排除されている——国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」が現地時間22日に発表し、世界でも最悪レベルの教育危機だと訴えました。戦闘が続くなかで学校そのものが失われ、子どもの日常と安全の“受け皿”が崩れつつあります。
数字が示す「失われた学び」:約500日分
セーブ・ザ・チルドレンによると、スーダンでは2023年4月に戦闘が始まって以来、子どもたちは約500日分の授業を失ったとされます。これは新型コロナ禍で各地が経験した学習損失を上回る規模だといいます。
- 学齢期の子どもの約半数(800万人超)が就学できない
- 戦闘開始以降、約500日分の学習機会が失われた
同団体のインガー・アシングCEOはストックホルムからの動画ブリーフィングで、「いま国際社会はスーダンの子どもたちを見捨てている」と述べ、支援の遅れに強い危機感を示しました。
なぜ学校に戻れないのか:閉鎖・損壊・避難所化
就学の障壁は「授業が止まっている」だけではありません。報告では、
- 学校が閉鎖されたり、戦闘で損壊したりしている
- 避難した家族のシェルター(避難場所)として学校が使われている
- 教員が給与未払いの期間が続き、離職するケースが出ている
といった要因が重なり、教育システムが機能不全に陥っている状況が描かれています。
戦闘の激化と人道危機:学び以前に「生き延びる」局面も
教育の中断は、治安と生活基盤の悪化とも直結します。報告では、北コルドファン州の州都アル・オベイド周辺でドローン攻撃が激化し、少なくとも2つの事案で「民間人の大きな死者」が出たとの住民の証言が伝えられました。
また援助機関は、ダルフール地方のアル・ファシル(準軍事組織RSFが10月に掌握したとされる)と、南部のカドゥグリに緊急の人道支援が必要だと訴えています。両都市は飢饉(ききん)状態に直面しているとされます。
- アル・ファシルでは、18か月に及ぶ包囲の後の掌握を受け、推定10万人超が避難した
- 北ダルフールでは、学校の開校が3%にとどまる
- 西コルドファン、南ダルフール、西ダルフールも深刻な影響
教育は「教科書」だけではない:子どもを守る最後の壁
アシング氏は、教育が子どもを搾取や武装勢力による勧誘から守る役割を持つとも指摘しました。学校は学びの場であると同時に、子どもの居場所であり、周囲の大人が異変に気づける場所でもあります。
同氏は今月、ポートスーダン、ナイル川州、ハルツームの学校を訪問したとし、現場の状況を踏まえて訴えた形です。
「崩壊」を止めるために必要だとされること
セーブ・ザ・チルドレンは、教育現場の立て直しに向けて次の支援が不可欠だとしています。
- 教員への緊急の資金拠出(給与支払いを含む)
- 教員の研修
- 学習スペースの復旧
- 学用品など必需品の提供
「直ちに資金が投入されなければ、教育システムは完全崩壊のリスクがある」と同団体は警鐘を鳴らしています。紛争の長期化が見込まれるなか、2026年1月のいま、子どもたちの“明日の日常”をどう支えるかが問われています。
Reference(s):
Half of Sudanese children not in education due to conflict: aid group
cgtn.com








