米ミネソタ州で2026年1月23日(現地時間)、移民取り締まり当局ICE(米移民・関税執行局)の大規模増派に反発する抗議が広がり、空港付近で祈りを捧げた聖職者らが相次いで逮捕されました。主催者側は同日を「ICE OUT!」の行動日と位置づけ、企業の休業や職場離脱を伴う「ゼネスト(general strike)」だと説明しています。
何が起きたのか:空港前で祈り、そして逮捕
現地の報道によると、ミネアポリス・セントポール国際空港へ向かった参加者の一部は、道路上でひざまずき、賛美歌を歌い祈りを捧げました。警察はその場で聖職者を含む数十人を逮捕したとされています。
抗議行動は州内各地にも波及し、主催者や参加者は「多数の店舗がシャッターを下ろし、労働者がデモや行進に合流した」と話しています。
背景:トランプ政権による「ツインシティーズ」への大量増派
今回の抗議の背景には、トランプ大統領がミネアポリスとセントポール周辺(通称ツインシティーズ)に、移民取り締まり要員を数千人規模で投入したことがあるとされています。参加者側は、取り締まりが「不法滞在者」に限らず「合法的な在留者」にも及んでいると訴えています。
一方で、政権側は、抗議者が当局者への嫌がらせや業務妨害を行っていると主張しています。
対立の連鎖:衝突と「緊張緩和」の呼びかけ
ここ数週間、当局と抗議者の対立は激しさを増し、現場では催涙ガスや閃光弾が使われた場面もあったと伝えられています。こうした状況を受け、トランプ政権の高官らは「緊張を下げるため、地元の民主党系指導者とも協力すべきだ」との趣旨で呼びかけたとされます。
バンス副大統領も1月22日にミネアポリスを訪れ、政権として「緊張を下げるためにできることをしている」と記者団に述べたと報じられました。
抗議側の要求:市民死亡事件の「説明責任」など
主催者によれば、要求の一つは、今月(2026年1月)にICE職員が車内にいたレニー・グッドさん(米国市民)を射殺したとされる事件をめぐる「法的な説明責任」です。グッドさんは、ICEの活動を監視していた最中だったとされています。
「街が包囲されている」感覚と、寒さの中の行進
ダウンタウンで予定された集会に先立ち、参加者は厳しい寒さの中で街頭へ向かいました。非営利団体で働くパティ・オキーフさん(36)は、「怒りとフラストレーションの大きさを示すため、寒さに身をさらす覚悟で参加した」と語り、通常の抗議だけでは足りないと感じている心境を明かしたといいます。
企業は沈黙、自治体は強い言葉
ミネソタ州にはフォーチュン500企業が多く本拠を置きますが、移民取り締まりの動きについて公の発言を控えている企業が目立つと報じられています。地元企業ターゲットについては、店舗に当局が来た場合の従業員向け対応などを州議員が問いただしているとも伝えられました。
また、ミネアポリスのフライ市長ら民主党系の地元指導者は、今回の増派を強い表現で批判しているとされます。
今後の焦点:取り締まりと抗議が「日常化」するのか
- 当局の運用:取り締まり対象や手続きの透明性は高まるのか
- 地元との調整:政権が求める「協力」と自治体の反発は折り合うのか
- 抗議の広がり:休業・職場離脱を伴う動きが継続するのか
祈りと逮捕、休業と行進、そして「緊張緩和」の言葉が同時に並ぶ1日となりました。ミネソタの街で起きていることは、移民政策をめぐる対立が行政手続きの話にとどまらず、コミュニティの安心感や日常のリズムにまで影響し始めていることを静かに映しています。
Reference(s):
Clergy held as anti-ICE organizers call 'general strike' in Minnesota
cgtn.com







