米国の新国防戦略、最優先は「国土防衛」 西半球重視と同盟国の負担増も
米国防総省は2026年1月23日、新しい「国家防衛戦略(NDS)」を公表し、軍の最優先任務として国土防衛を前面に掲げました。過去に十分注目されてこなかったとする西半球(米州)も重点地域に位置づけ、同盟国にはより大きな役割分担を求めています。
今回のNDSで何が変わるのか
国防総省のNDSは、政権の安全保障方針を国防分野の実行計画へ落とし込む指針です。今回の文書では、国土防衛を「軍の主要な任務」として明記し、優先順位をはっきりさせました。
「国土防衛」の中身:国境、薬物、領空
NDSが示した国土防衛の焦点は、海外展開の議論だけでは見えにくい、より身近なリスクの管理です。具体的には次の点が挙げられています。
- 国境の安全確保
- 薬物に関連するテロへの対処
- 米国の領空の防護
- 西半球全体における米国の利益の保護
「西半球は過去の取り組みで軽視されてきた」との認識も示され、地域の安全保障を米国の中核課題として再配置する意図が読み取れます。
「孤立主義ではない」—同盟国には責任分担を要請
文書は、米国の優先順位の組み替えが「孤立主義」だという見方を退けつつ、同盟国・パートナーに対しては、より大きな責任を担うよう促しています。言い換えれば、米国がすべてを引き受けるのではなく、各国・各地域が自らの抑止力や継戦能力(危機が長引いても必要な能力を維持する力)を厚くする方向性です。
防衛産業基盤への投資も強調
NDSは、防衛産業基盤への投資拡大も打ち出しました。装備品の生産能力や補給網、部品供給など、危機対応を「続けられる体制」そのものを強める考え方で、短期の作戦だけでなく中長期の備えをにらんだ項目として位置づけられています。
背景:先月の国家安全保障戦略と「アメリカ・ファースト」の再調整
今回のNDSは、ホワイトハウスが先月(2025年12月)公表した新たな「国家安全保障戦略」を受けたものです。そこでは、ドナルド・トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」アプローチを改めて前面に出し、世界の安全保障上の優先順位を再調整する姿勢が示されました。
これから注目されるポイント
公表された方針が、予算配分や部隊運用、同盟国との協議にどう反映されるかが次の焦点になります。とりわけ、国土防衛と西半球重視を掲げる一方で、同盟国に求める「より大きな責任」がどの分野(装備、訓練、基地運用、産業面など)に及ぶのかは、今後の具体策で輪郭がはっきりしていきそうです。
Reference(s):
U.S. defense strategy puts homeland defense at top of agenda
cgtn.com








