氷点下24℃のミネアポリスで大規模デモ、"ICE撤退"求め1.5万人が街へ
2026年1月、米ミネソタ州ミネアポリスで、米移民・税関執行局(ICE)の撤退を求める大規模な抗議行動が起きました。氷点下24℃という厳しい寒さの中でも人々が集まった背景には、連邦当局による大規模作戦への反発と不安が重なっています。
何が起きた?「州史上最大級」とされる抗議行動
現地時間の金曜日、約1万5,000人が街頭に出て、空港周辺道路の封鎖やダウンタウンでの行進を行いました。主催者は「ミネソタ史上最大級のデモの一つ」と説明し、州全体の行動として実施されたとしています。
参加者の一人で、シティホールに勤める30歳のアマル・アハメドさんは取材に対し、「今日はミネソタで一年で最も寒い日。こんなのは見たことがない」と話しました。
抗議の中心にあったもの:空港封鎖と“街の停止”
抗議は早朝、ミネアポリス・セントポール国際空港から始まりました。信仰指導者らが、ストライキ中の空港労働者と合流し、賛美歌を歌い祈りを捧げながら、ターミナル1付近の道路を封鎖したと報じられています。
午後2時(現地時間)ごろには中心部へ移り、参加者はターゲットセンター方面へ行進。主催者は使い捨てカイロを配布し、参加者は「ICE Out Now」などのプラカードを掲げ、寒風の中でシュプレヒコールを上げました。
- 主催者によると、連帯の意思表示として700以上の事業者が休業
- 米気象当局は「露出した皮膚が30分ほどで凍傷の恐れ」と警告
- 労働組合、宗教指導者、教育関係者、医療従事者が広く参加
引き金となったとされる事件:1月7日の致命的な銃撃
今回の抗議は、今月7日に起きた致命的な銃撃の後に高まった緊張の中で行われました。報道によると、移民執行の作戦中にICEの捜査官ジョナサン・ロス氏が、地元住民のレニー・グッドさん(37歳、母親で米国市民)を銃撃し死亡させました。郡の検視当局は、複数の銃創による「殺人(homicide)」と判断したとされています。
「オペレーション・メトロ・サージ」とは:数千人規模の連邦展開
抗議の焦点となっているのは、米国土安全保障省(DHS)が「オペレーション・メトロ・サージ」と呼ぶ取り組みです。複数メディアは、DHS当局者の説明として、約6週間で3,000人超の連邦要員が関与し、逮捕が3,000件超にのぼったと報じています。
労働組合側は、作戦により組合員20人以上が拘束されたと述べ、労働者と地域社会への影響が広がりうると警戒感を示しました。
医療現場・移民コミュニティの不安も
現場の緊張は、治安や行政の領域にとどまりません。地元局の取材に対し、研修医だというアバロン氏は、医療従事者にとって持続不能な勤務環境が生まれていると述べ、「患者が診療所や病院に来ることを恐れている」と語りました。
若いソマリア系アメリカ人からは、身分証を常に携帯するようになったという声も出ています。19歳のアブディ・ハッサンさんは「理由もなく連れて行かれるかもしれない」と話し、最近の恐怖感を表現しました。
州・市と連邦の見解の隔たり、そして司法の動き
政治・司法の場でも対立が鮮明です。ミネアポリス市のジェイコブ・フレイ市長は、「これは安全の問題ではなく、移民の問題でもない。政治的報復だ」と述べたと報じられています。
州のキース・エリソン司法長官は、「武装し、覆面で、訓練が不十分な連邦捜査官が多数展開することはミネソタを傷つける」とする趣旨の声明を出し、作戦差し止めを求め提訴したとされています。
一方、連邦側は正当性を主張しています。国境警備の指揮官グレッグ・ボビーノ氏は記者会見で、「我々の行いはすべて合法で、倫理的で、道徳的だ」と述べました。
また同じ金曜日、交通停止の際に拘束されたエクアドル出身の2歳児について、連邦判事が釈放を命じたと報じられています。州の訴訟に関する審理は、次の月曜日に予定されています。
抗議の規模はどれほど?1934年のストライキと比較する声も
地元メディアや主催者は、今回の動員を1934年のトラック運転手ストライキ(州史に残る労働動員の一つ)になぞらえ、歴史的な規模感を強調しました。加えて、同日にはニューヨーク、ロサンゼルス、ソルトレークシティ、シアトルでも連帯行動があったとされています。
極寒の街で起きたこの抗議は、「移民執行」と「地域の安心」がどこで折り合うのか、そして大規模な法執行がコミュニティや職場に何を残すのかを静かに問いかけています。
Reference(s):
Protesters brave freezing temperatures to demand ICE leave Minneapolis
cgtn.com








