EU関税の再燃リスク、カリフォルニア経済に影—米EU貿易の不確実性 video poster
2026年1月下旬、米EU間では関税をめぐる緊張が「いったんは」和らぎ、目先の大規模な追加関税は回避されました。ただ、次の一手が読めない状況そのものが、すでにカリフォルニア経済の重しになりつつあります。
いま何が起きているのか:関税は回避、でも不安定さは残った
今回のポイントは、関税の即時エスカレーション(急激な引き上げ)が避けられた一方で、貿易関係の先行き不透明感が消えていないことです。世界の通商環境が不安定なままだと、企業は投資や採用、在庫の判断を先延ばしにしがちで、地域経済にじわじわ効いてきます。
なぜカリフォルニアが影響を受けやすいのか
カリフォルニアは輸出入やサプライチェーン(部品・原材料の供給網)との結びつきが強く、貿易摩擦の「ニュース」そのものより、不確実性が長引くことの影響を受けやすい地域です。
- 価格の変動:関税リスクが意識されるだけで、仕入れ・販売価格の見通しが立ちにくくなります。
- 契約の停滞:輸出入契約は中長期になりやすく、相手国の税率変更リスクがあると合意が遅れます。
- 投資判断の先送り:工場や設備、研究開発などの意思決定が慎重になりがちです。
影響が懸念される3つの主要セクター
1) 農業:輸出の採算が読みづらい
農産物は価格競争が激しく、関税の可能性があるだけでも「どこまで値上げできるか」「数量を確保できるか」が不透明になります。生産者から加工・物流まで、川上から川下までの計画に影響が波及しやすいのが特徴です。
2) テクノロジー:部材・完成品の流れが鈍るリスク
テクノロジー産業は国境をまたぐ分業が前提で、部材調達や出荷の経路が複雑です。関税リスクが高まると、企業は調達先や生産拠点の見直しを迫られ、短期的にはコスト増や納期のぶれにつながり得ます。
3) 製造業:コスト増と需要減の「両にらみ」
製造業では、輸入部品のコスト増と、輸出先での需要鈍化が同時に起きる懸念があります。先行きが読めない局面ほど、在庫と設備稼働の調整が難しくなります。
今後の注目点:数字より先に「ムード」が効く局面
関税が実際に引き上げられるかどうかだけでなく、交渉の空気感や示唆(当局者発言など)で市場や企業心理が揺れます。短期的には次の点が注目されます。
- 追加関税の再浮上:回避が「恒久措置」なのか「一時的停止」なのか。
- 企業の行動変化:投資・雇用・在庫の調整が表面化するか。
- サプライチェーンの再編:調達・生産・輸送ルートの変更が広がるか。
関税のニュースは、発表の瞬間よりも、その後に続く不確実性の長さで地域経済を変えます。今回の「いったん回避」は安心材料である一方、企業が“次のリスク”を織り込み始めた時点で、影響はすでに始まっているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








