イラク外相、IS拘束者移送でEUに「安全・財政負担の共有」求める
2026年1月24日、イラクのフアード・フセイン外相は、シリアで拘束されてきた「イスラム国」(IS)関係者の扱いをめぐり、イラクだけが安全保障と財政の負担を背負うべきではないとして、関係国全体で責任を分担する必要があるとの考えを示しました。
電話協議の焦点は「拘束者」とシリア北東部の不安定化
イラク外務省の発表によると、フセイン外相は欧州連合(EU)の外交・安全保障上級代表カヤ・カラス氏と電話で協議しました。議題の中心となったのは、シリア情勢、とりわけクルド主導のシリア民主軍(SDF)が管理していた刑務所からISメンバーが最近脱走したとされる問題です。
ハサカ県の停戦維持と、対話の後押し
両者は、シリア北東部ハサカ県における停戦を持続させる必要性を確認し、対立の解決は平和的手段によるべきだと強調しました。
また、SDFとシリア暫定政府の協議を支援し、拘束力のある合意に結びつけるために、EUが積極的な役割を果たす重要性も共有したとしています。
「イラクだけでは担えない」—フセイン外相が負担共有を訴え
フセイン外相は、IS拘束者への対応について、イラクが単独で警備や収容などのコストを負う構図は適切ではなく、関係国すべてに責任があるという立場を示しました。論点は、拘束者の管理をめぐる“治安のリスク”と“継続的な財政負担”を、どのように国際的に分かち合うかにあります。
移送はすでに開始:シリアから最初の150人を受け入れ
協議の背景には、イラクが最近、シリアから移送されたIS拘束者の最初の150人を受け入れたことがあります。米中央軍(CENTCOM)によると、拘束者はハサカの収容施設から、イラク国内の安全な場所へ移送されたとされています。
この移送は、最終的に最大7,000人規模がイラク側施設へ移され得る、より大きな計画の一部と位置づけられています。
EU側は「受け入れ合意」に謝意
外務省発表では、カラス氏は、イラク政府がシリアからのIS拘束者受け入れに当初合意したことに謝意を示したとされています。一方で、イラク側は「受け入れた国が抱え込む」形にならない枠組みづくりを求めた格好です。
首相も各国に「自国民の引き取り」を呼びかけ
さらに前日の1月23日には、ムハンマド・シーア・アル・スダーニ首相がフランスのエマニュエル・マクロン大統領との電話協議で、世界各国、特にEU加盟国に対し、ISとの関係で拘束されている自国民の本国送還(引き取り)を促したとされています。
「誰が引き受けるのか」が安全保障と政治の課題に
IS拘束者の移送・収容は、単なる輸送の話にとどまりません。脱走のリスク、収容施設の維持費、関係国の責任分担、そしてSDFとシリア暫定政府の調整など、複数の論点が絡み合います。今回の協議は、イラクが“受け皿”になるだけでは持続しないという問題提起を、EUに対して明確に伝える場になったと言えます。
Reference(s):
Iraqi FM urges EU to share security, financial burdens of IS detainees
cgtn.com








