スターマー英首相、トランプ氏のアフガン発言を「侮辱的」 video poster
英スターマー首相が、トランプ米大統領の「アフガニスタンで同盟国は前線から少し離れていた」とする趣旨の発言を「侮辱的で、率直に言って衝撃的(appalling)」と強く批判し、欧州の要人や退役軍人の反発が広がっています。
何があったのか:英首相が異例の強い言葉
スターマー首相は記者団に対し、トランプ大統領の発言について「侮辱的で、率直に言って衝撃的だ」と述べました。さらに、戦死・負傷した人々の家族や関係者が深く傷つくのは当然だとして、痛みの大きさに言及しました。
謝罪を求めるかと問われると、スターマー首相は「もし自分がそのように言い間違え、あの言葉を口にしたのなら、間違いなく謝罪する」と語り、直接的な要求は避けつつも、謝罪が望ましいとの姿勢をにじませました。
発端:トランプ大統領のアフガニスタンをめぐる発言
トランプ大統領は今週、米メディアの番組で、米国は大西洋を挟んだ同盟を「必要としたことがない」と述べた上で、同盟国がアフガニスタンでは「前線から少し離れていた」と非難する趣旨の発言をしたとされています。
この発言は、同盟の「負担」や「貢献」をめぐる評価の問題に触れるもので、戦地での経験や喪失と直結するため、政治的な論争にとどまらない広がりを見せています。
背景:英国の犠牲と「言葉の重さ」
英国はアフガニスタンで457人の軍関係者を失い、1950年代以降で最も死者が多い海外での戦争になったとされています。特に激しかった時期には、同国はアフガニスタン最大かつ最も暴力的な州とされるヘルマンドで、同盟軍の作戦を主導しました。また、イラクでも米国の主要な戦場同盟国として戦った経緯があります。
こうした文脈の中で「前線から離れていた」といった表現は、当事者にとって過去の記憶を刺激し、評価の問題を一気に“尊厳”や“敬意”の問題へと変えてしまいます。
欧州と退役軍人の反発:広がる「不正確」「無礼」との声
今回の発言には、英国だけでなく欧州各地から反発が相次ぎました。記事で伝えられている主な反応は次の通りです。
- オランダのファン・ウィール外相:発言を「事実ではなく、敬意を欠く」と非難。
- デンマークのフレデリクセン首相:トランプ大統領の評価に同意しないとし、デンマークの退役軍人が受けた痛みに触れた上で「同盟兵士の献身を疑うのは受け入れられない」と投稿。
- 英ハリー王子(アフガニスタン従軍経験):犠牲は「真実と敬意をもって語られるべきだ」と声明。
- ポーランドの退役将軍ロマン・ポルコ氏:発言は「一線を越えた」とし、「同盟のために血を払った」と述べ、謝罪を求める考えを示唆。
ホワイトハウスの反論:NATOへの貢献を強調
ホワイトハウスは翌日の金曜日、スターマー首相の批判を退けました。報道官のテイラー・ロジャーズ氏は声明で、トランプ大統領は「正しい」とした上で、米国はNATOに対し「同盟の他のどの国よりも、合計以上に多くをしてきた」と主張しました。
論点は、戦地での「危険の分担」だけではありません。資金・装備・後方支援・戦略の主導など、貢献の物差しが複数あるため、同じ事実でも評価が割れやすい構図があります。
緊張の文脈:グリーンランド発言も重なり、関係は複雑に
トランプ大統領の発言は、欧州側との関係がただでさえぎくしゃくしている中で出てきたとも伝えられています。世界経済フォーラムが開かれたスイスのダボスで、同氏がグリーンランドの取得への関心を改めて示したことも、欧州側の警戒感を強める要因になりました。
いま起きていること:同盟を支えるのは「数字」か「記憶」か
今回の応酬は、同盟関係を支える基盤が、国防費や兵站といった「数字」だけではなく、戦地での経験や喪失という「記憶」によっても形づくられていることを浮かび上がらせます。政治家の一言が、過去の犠牲をどう位置づけるかという問いに直結する以上、今後も各国の世論や退役軍人コミュニティの反応が、外交の空気を左右しそうです。
Reference(s):
UK's Starmer slams Trump's Afghanistan remarks as insulting to allies
cgtn.com







