露米ウクライナ初の3者和平協議、領土で隔たり 次回は2月1日案
2026年1月24日(土)、ロシア・米国・ウクライナによる初の3者和平協議(安全保障の作業部会)がアラブ首長国連邦(UAE)アブダビで終了しました。2日間の協議は一定の前進も伝えられる一方、最大の争点である領土問題で溝が埋まらず、「大きな突破口は見えにくい」という空気も残りました。
今回の協議で何が話し合われたのか
会合は非公開で行われ、詳細は限られています。現時点で3者のうち、公式に公の発信を行っているのはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領のみです。
- 場所:UAE・アブダビ
- 形式:ロシア・米国・ウクライナの3者(安全保障の作業部会)
- 期間:2日間(終了は1月24日)
- 公開情報:会合はメディア非公開、各国の説明は限定的
出席者:各陣営の「安全保障チーム」が集結
参加者には、米国側から大統領特使スティーブ・ウィトコフ氏、ジャレッド・クシュナー氏(ドナルド・トランプ大統領の義理の息子)、ロシア側から軍事情報機関トップのイーゴリ・コスチュコフ氏、ウクライナ側からキーウリロ・ブダノフ氏(ウクライナ大統領の首席補佐官)、ルステム・ウメロフ氏(国家安全保障・国防会議の長)らの名が挙がっています。
ゼレンスキー氏「多くが議論された」――ただし成果は“枠組み”の段階
ゼレンスキー氏はXへの投稿で、協議について「多くが議論され、会話が建設的だったことが重要だ」と述べました。具体的な合意の発表はないものの、停戦・終結に向けた「可能な条件(パラメーター)」が中心テーマだったとしています。
また、同氏は「和平プロセスと将来の安全保障上の取り決めの実行に、米国の監督が必要だ」という認識が共有されたとも記しました。米国側は、紛争終結に向けた枠組み案と、それを支えるために必要だと考える安全保障条件を提示したということです。
最大の争点は領土:一致点が見えにくい理由
交渉関係者によると、領土問題が最も難しい障害として残りました。政治作業部会では、ウクライナ側が「少なくとも現在の接触線」を基礎に議論すべきだとする一方、ロシア側は「ドネツク州でロシアの支配が完全ではない地域からのウクライナ軍撤退」を主張したとされています。
ロシアは公式な協議結果を公表していませんが、協議後にセルゲイ・リャプコフ外務次官が、米国とアンカレッジで到達したとされる基本的理解を踏まえた従来の立場を改めて強調しました。さらに、ユーリー・ウシャコフ大統領補佐官の発言として「領土問題を扱わなければ持続的な政治解決は不可能」との見解も示されたと伝えられています。
軍事分野では「見える前進」:停戦監視の設計図づくりへ
一方で、軍事作業部会では比較的具体的な進展があったとされています。議題には、部隊の引き離し、停戦監視の仕組み、停戦監視・調整センター設置の可能性などが含まれ、次回に向けて関連用語を定義する文書を準備することで一致したということです。
また、ロシア代表団は当初、NATOやOSCE、あるいはウクライナを支援する欧州諸国の関与に反対したものの、最終的に「ロシア・ウクライナ・米国」の枠組みを含む形を受け入れたとされています。なお、エネルギー分野の停戦(エネルギー停戦)については議論されなかったとも伝えられています。
次回会合は「2月1日」案も:アブダビで継続協議へ
ロシア側情報源として、中国メディアグループ(CMG)の取材では、3者の代表団が帰国後に各政府へ報告する見通しだとされ、これはゼレンスキー氏も確認しました。各陣営が協議内容を報告し、指導者レベルで次の手順を調整する流れです。
ゼレンスキー氏は「前進する準備があるなら(そしてウクライナは準備がある)、早ければ来週にもさらなる会合が行われる可能性がある」と述べました。米国当局者は一部報道で、協議が「期待を上回った」とし、次回会合を2月1日に再びアブダビで開く案があるとしています。
協議中も戦闘は継続:外交と軍事が同時進行する現実
外交努力が続く一方、現地の戦闘は止まっていません。協議2日目の24日、ゼレンスキー氏はロシアによる大規模な夜間空爆があったと主張し、キーウのほかスムイ、ハルキウ、チェルニヒウなどで被害が出たと述べました。エネルギー施設の損傷や死者の報告にも言及しています。
これに対しロシア国防省は23日と24日にかけ、ウクライナの軍需関連施設、エネルギー・輸送インフラ、弾薬・燃料拠点、ウクライナ軍や外国人戦闘員の一時展開地点への大規模攻撃を実施したと発表し、複数集落を掌握したとも述べました。
分析としては、領土と安全保障を中心に隔たりが大きく、短期で包括的な和平合意に至る可能性は高くない一方で、局地的停戦や捕虜交換、食料・エネルギー回廊の保護など、限定的な合意が「信頼醸成」の一歩になり得るとされています。2月初旬に想定される次の会合が、どの論点を具体化できるのかが注目点です。
Reference(s):
No breakthrough as first Russia-U.S.-Ukraine peace talks conclude
cgtn.com








