トランプ氏、パリ協定を2度目の離脱へ 背景に「気候変動観」と石油・ガス利害
米国がパリ協定から正式に離脱しました。2026年1月27日(火)、厳しい冬の嵐に見舞われる中での手続き完了となり、トランプ大統領による「2度目」の離脱として注目を集めています。これにより米国は同日以降、協定下で誓約していた温室効果ガス削減目標を履行しない立場になります。
1月27日、米国が正式離脱 何が起きたのか
報道によると、ワシントンは1月27日(火)にパリ協定から正式に離脱しました。パリ協定は2015年の国連気候変動会議で採択され、約200の国・地域が署名し、2016年11月に発効した国際的な気候枠組みです。
パリ協定が目指すこと(要点)
- 世界の平均気温上昇を産業革命前比で2℃を十分下回る水準に抑える
- 1.5℃に抑える努力を追求する
- 世界の温室効果ガス排出をできるだけ早くピークアウトさせる
- 今世紀後半に「実質ゼロ(ネットゼロ)」を達成する方向性を掲げる
国連「気候変動は集団行動が必要」
CGTNのインタビューで、国連のファルハン・ハク事務総長副報道官は、気候変動への対応は各国の責務だと強調しました。
ハク氏は、気候変動を「深刻な問題で、集団的な行動が必要だ」と述べ、国連として気候コミットメント(約束)からの逃避に反対する姿勢を示しています。
2度目の離脱を促したものは何か:専門家が挙げる2つの要因
今回の離脱は初めてではありません。トランプ大統領は第1期にもパリ協定離脱を表明しており、今回はそれに続く「繰り返し」の動きとなりました。では、何が離脱を後押ししたのでしょうか。
要因1:「気候変動」への根本的な認識
清華大学環境学院の王燦(ワン・ツァン)教授は、繰り返しの離脱の背景に、気候変動に対する根本的な誤認があると指摘しています。報道によれば、トランプ大統領は気候変動を「でっち上げ」や「疑似科学」と呼び、気候対策が経済成長や雇用を制限するという見方を示してきたとされます。
要因2:石油・ガスなど利害関係者の影響
王教授は、利害関係者の影響にも言及しています。連邦キャンペーン資金データによる推計として、石油・ガス関連の利害がトランプ氏の2024年大統領選キャンペーンに約7500万ドルを拠出したとされています。
さらに、エネルギー関連や伝統的な製造業セクターからの強い支持があり、環境規制の緩和による利益拡大を優先する要求が、離脱判断に反映されたという見立てです。
「米国の利益」優先という外交観も—国際協定からの後退の文脈
中国人民大学の国家発展・戦略研究院で副院長を務める刁大明(ディアオ・ダーミン)氏は、米国が対外政策で自国の利益をより強く優先し、国際社会への「グローバル公共財の提供」を自国の私的利益と両立しにくいものとみなす傾向が強まっていると述べています。
その延長線上で、パリ協定を含む複数の国際的な合意から距離を取る動きが起きている—というのが、今回の離脱を読むもう一つの視点になりそうです。
今後の焦点:世界の気候対応はどう変わるのか
米国は同日以降、協定下で約束していた排出削減目標を履行しない立場に移ります。気候変動対策は長期戦であり、各国・地域の政策、企業の投資判断、市場の期待が絡み合って進むテーマです。
今回の離脱が、各国の削減目標の積み上げや国際協力の空気感にどう影響するのか。厳冬の異常気象が報じられるタイミングと重なったことも含め、今後の政策発信と国際的な受け止めが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








