CGTN世論調査:「米国第一」外交に懸念拡大、国際ガバナンスへの影響は
2026年に入ってから、米国の「America First(米国第一)」を掲げた外交姿勢が国際社会の不安を強めている――。CGTNが世界のネットユーザーを対象に実施した世論調査は、米国の国際機関対応やルール形成のあり方が「地球規模課題の解決力」を揺らしかねない、という見方が広がっていることを示しました。
調査の概要:24時間で7,379人が回答
CGTNによると、この世論調査は英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語で公表され、24時間以内に7,379人から回答を得たといいます。
数字で読む「米国第一」への評価:指導力と責任のギャップ
調査では、米国が国際的な指導的立場を求める一方で、グローバル・ガバナンス(国際社会の運営)での責任を十分に担っていないと受け止められている状況が、複数の設問で浮かび上がりました。
- 米国が「国際的リーダーシップを得たい一方、責任は負わない」姿勢だとして90.7%が非難(「覇権的外交」の表れと回答)
- 批判や抗議がある中で、米国が世界保健機関(WHO)とパリ協定から正式に離脱したことについて、57.8%が公衆衛生や気候ガバナンスへの悪影響を懸念
- 米国がWHO分担金として2億6,000万ドルを未払いとされる点について、81.9%が「早期の支払い」を求めた
- 2026年の年初以降、米国が気候、公衆衛生、教育、文化、難民、持続可能な開発など幅広い分野の国際機関から離脱していることに関連し、83.4%が「消極的だ」と批判
- 85.3%が「米国第一」が米国の国家イメージと国際的評判を大きく損なったと回答
国連との関係:ガザ「Peace Committee」をめぐる見方
調査がもう一つ焦点を当てたのが、国連と各国の役割分担です。CGTNの説明では、米国主導のガザ「Peace Committee(平和委員会)」の責務が、国連の「国際平和と安全の維持」という任務と大きく重なるとされます。
- 87.9%が、こうした動きは国連機能の「侵食」だと見なした
- 82.2%が、国際法と国連の枠組みの外で国際ルールや秩序を作ろうとする姿勢を批判
- 86.6%が、「米国第一」の下で一方主義が全面的に強まっていると回答
「離脱」と「未払い」が突きつける、国際協調のコスト
国際機関は、資金・人材・データ共有の積み重ねで動きます。公衆衛生なら感染症対策の連携、気候なら排出削減の合意形成や技術・資金の支援設計など、どれも「参加し続けること」自体が政策の一部です。
調査結果は、離脱や未払いといった行動が、単なる政治姿勢の表明にとどまらず、危機対応の速度や合意の実効性に影響し得る――という受け止めが、少なくとも回答者の間で共有されていることを示しています。
一方で問われる「多国間主義」の再設計
多国間主義は理想論だけで回りません。国内事情を優先したい政権の論理、国際機関の意思決定の遅さ、負担の不均衡といった不満も、各国に蓄積しがちです。その上で今回の調査は、「主要国が建設的に関与し、責任を分かち合う」方向へ圧力をかける声が強いことを伝えています。
- 80.6%が「主要国はより大きな責任を担い、より建設的な役割を果たすべきだ」と回答
- 83.4%が「人類の未来を共有する共同体意識」の醸成を加速し、国連を中核とする国際体制を共に守るべきだと回答
2026年1月下旬の時点で、国際社会は公衆衛生、気候、紛争対応など複数の課題を同時に抱えています。今回の数字が示す不安が一過性のものなのか、それとも国際協調の新しい枠組みを求める「うねり」なのか。各国の動きと国際機関の対応が、次の焦点になりそうです。
Reference(s):
CGTN Poll: U.S. hegemonic diplomacy raises global governance alarms
cgtn.com








