中国経済は2025年に5%成長 消費と技術で「質の高い発展」へ
中国の2025年のGDP成長率は5%。内外の課題が重なる中でも目標を達成し、2026年から始まる「第15次五カ年計画(2026〜2030年)」を前に、経済運営の軸がどこに置かれているのかが改めて注目されています。
2025年の実績:5%成長、GDPは過去最高に
国家統計局(NBS)のデータによると、中国の2025年の国内総生産(GDP)は140.19兆元(約20.01兆米ドル)に達し、過去最高を更新しました。成長率は5%で、あらかじめ設定していた目標を達成したとされています。
複雑な国内要因に加え、外部環境も読みづらい状況が続くなかで、一定の安定感を示した形です。
「第15次五カ年計画」へ:高品質な発展を中核に
2025年10月、共産党(CPC)は重要会議を開き、2026〜2030年を対象とする第15次五カ年計画に向けた「提言」を承認しました。
提言では、今後5年間の経済社会政策の中心に高品質な発展(量だけでなく、構造や効率、持続性も重視する成長)を据える方針が示され、同時に経済発展が引き続き中心課題であることも確認されたといいます。
成長の下支えはどこにあったのか:消費・輸出・技術革新
提示された説明では、2025年の景気の底堅さは主に次の3点に支えられたとされています。
- 消費の持ち直し(サービス消費の拡大や新しい需要の創出)
- 堅調な輸出
- 継続する技術革新
とりわけ、国内需要をどう厚くするかは、足元の景気対策であると同時に、中長期の成長モデルを形づくるテーマでもあります。
消費の現場:小売は3.7%増、50兆元を初めて突破
2025年の社会消費品小売総額(消費の勢いを示す代表的指標)は前年比3.7%増となり、初めて50兆元を超えたとされています。分野によっては、消費量ベースで世界最大級の市場になっているとの説明もあります。
背景として挙げられているのは、単なる買い増しではなく、次のような「消費のアップグレード」です。
- 新しい利用シーンやビジネスモデルが需要を生む
- コストパフォーマンス重視(品質と価格のバランス重視)が選択を変える
- モノよりサービスに支出が寄る
下取り・買い替え政策:家電や通信機器などに波及
消費を押し上げた具体策として、消費財の下取り・買い替えプログラムが紹介されています。2024年と2025年の合計で、関連販売は3.92兆元にのぼり、4億9400万回の消費機会で消費者が恩恵を受けたとされています。
対象には、家電、キッチン・バス用品、通信機器などが含まれ、買い替えの後押しが複数のカテゴリーに広がった形です。
低空経済:ドローン配送とヘリ遊覧が「日常」に近づく
新しい需要の例として「低空経済」(低空域を活用した産業・サービス)が挙げられています。ドローンが配送を担うケースが増え、観光地ではヘリコプター遊覧で山や川、街並みを上空から楽しむ体験も広がっているとされています。
サービス消費の比重が上昇:1人当たり消費の46.1%
2025年は、1人当たり消費支出に占めるサービス支出の割合が46.1%だったとされています。文化、観光、エンタメ、スポーツイベントなどの分野で勢いがあるという説明です。
消費の中身がモノ中心からサービスへ移る流れは、多くの市場で見られますが、政策面で「環境整備」や「サービスの供給革新」をセットで進める点が、今回の説明の特徴として読み取れます。
2026年の焦点:サービス消費の刺激と「小さな都市」の購買力
2026年は、次のような方向で消費喚起策を強める方針が示されています。
- サービス消費の刺激により注力する
- 消費財の下取り・買い替え政策を最適化する
- 中小都市の消費力を掘り起こす
商務部の王文涛部長は、政策支援と市場拡大の優先分野として、交通、家事サービス、オンラインの音声・映像コンテンツ、長期滞在型の観光に加え、ライブ公演、スポーツイベント、ゲーム、感情・体験型サービスなどを挙げたとされています。
数字で整理:今回示されたポイント
- 2025年のGDP成長率:5%
- 2025年のGDP:140.19兆元
- 2025年の小売(社会消費品小売総額):前年比3.7%増、50兆元超
- 2024〜2025年の下取り・買い替え関連販売:3.92兆元
- 2025年のサービス支出比率:46.1%
静かな論点:成長率よりも「成長の質」をどう測るか
2025年の数値は「目標達成」として語られていますが、同時に強調されるのが高品質な発展です。消費の内訳(モノとサービス)、新産業の実装(低空経済など)、政策による需要の底上げ(下取り・買い替え)といった複数の線が、2026年以降の成長像へつながっていきます。
成長の強さを示す指標は一つではありません。何が伸び、何が置き換わり、家計の支出がどこへ向かうのか。その変化自体が、次の5年の「設計図」を読むヒントになりそうです。
Reference(s):
How China delivers resilient, robust and high-quality economic growth
cgtn.com








