核融合は“待望の革命”へ近づいたのか?太陽の力を地上に下ろす現在地 video poster
核融合(かくゆうごう)は「化石燃料を燃やす時代の終わり」を想像させる技術として、2026年のいまも期待が集まっています。ポイントは、太陽を動かす仕組みを地上で安定して再現できるかどうかです。
核融合が注目される理由:エネルギーは“星の仕組み”にある
核融合は、石炭・石油・ガスと比べて、ほぼ400万倍ものエネルギーを放出しうるとされます。もし社会実装まで到達できれば、地球上での化石燃料の燃焼を終わらせる可能性すら語られてきました。
さらに燃料面でも「手が届く」イメージが強いのが特徴です。
- 重水素(デューテリウム):海水から安価に抽出できる
- 三重水素(トリチウム):自然界に豊富なリチウムから生産できる
核分裂との違いは?「割る」ではなく「くっつける」
現在の原子力発電所で起きているのは核分裂で、原子を分裂させてエネルギーを取り出します。一方の核融合は、原子核どうしを結合させる反応です。太陽の内部で起きているのと同じく、極めて高い熱と圧力のもとで原子核がぶつかり合い、“小さな星が衝突して1つになる”ようなイメージで進みます。
軽い原子核が結びついて重い原子核になる際、質量の一部がエネルギーに変換されます。このエネルギー量は、燃料1kgあたりで核分裂の4倍と説明されています。
「点火(イグニッション)」は何がすごいのか
核融合が“近い”と言われる根拠の一つが、米カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)で2022年12月に達成された「核融合点火」です。巨大レーザーで反応を開始し、投入したレーザーエネルギーを上回るエネルギーを反応から得たことで、ネット(正味)のエネルギー増を実現したとされます。
この成果は「核融合は理論だけではなく、実験として成立しうる」ことを強く印象づけました。その後も点火は複数回成功しているとされています。
それでも“難所”が残る:点火と維持
一方で、実用化の核心は「点火すること」だけではありません。点火を達成し、その状態を維持することが難しいとされます。逆に言えば、維持が難しいため、メルトダウン(炉心溶融)のリスクがないという説明にもつながります。また、長期にわたって毒性が続く核廃棄物の副産物がない、という見立ても語られています。
“社会のエネルギー”になる日はいつ?期待と現実の間で
核融合をめぐる語り口は、長らく「SF」扱いされがちでした。しかし2022年の点火達成により、“可能性の証明”という段階は一つ前へ進んだといえます。
スペインの国立核融合研究所(CIEMAT)のディレクター、カルロス・イダルゴ氏はCGTNに対し、次のように述べています。
「いま私たちは、2つ目の夢を現実にする未来を見ています。社会のための核融合エネルギーです。これは社会に、人類にとって巨大な革命になるでしょう。核融合では、科学の限界と限界の科学を探求しています」
2026年の現在地を一言でいえば、「燃料の見通しは明るいが、点火と維持の難しさが“最後の関門”として残っている」。だからこそ、点火の反復成功はニュースになり続けます。革命が“いつ”日常に降りてくるのか——その時間軸こそが、いま読者が最も知りたい問いなのかもしれません。
要点まとめ
- 核融合は太陽を動かす仕組みで、化石燃料の代替として期待される
- 重水素は海水から、トリチウムはリチウムから得られるとされ、燃料面の魅力が大きい
- 2022年12月、LLNLが点火を達成し、その後も複数回成功したとされる
- 課題は「点火」だけでなく、反応を維持し続けること
Reference(s):
Is the world set for a long-awaited revolution with nuclear fusion?
cgtn.com








