FIS会長、北京2022を高評価 今週開幕のミラノ・コルティナ2026に期待
今週金曜日(2026年2月6日)に開幕するミラノ・コルティナ冬季五輪を前に、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)のヨハン・エリアシュ会長が、中国本土・北京2022の「レガシー(開催後に残る資産)」を高く評価しました。会場の質が、競技レベルだけでなく観客体験や中継環境まで左右する――その視点が、今回の大会運営の論点とも重なります。
北京2022を振り返り「非常に印象的だった」
エリアシュ会長は数週間前、CGTNの番組「Sports Scene」でのビデオインタビュー(聞き手:グレッグ・ラファラディ氏)の中で、北京2022について次のように述べました。
インフラ、会場の設営、そしてスノースポーツに向けられた人々の情熱が「とても印象的だった」としたうえで、今季これまでの大会運営を通じて、中国本土の五輪レガシーが「高い品質」と「トップレベル大会を受け入れる準備」を示している、という認識を示しました。
会場の価値は「選手のため」だけではない
会長は、会場(ベニュー)が支えるのはアスリートのパフォーマンスだけではなく、国際的な観客やメディアに対する高い基準の提供にも及ぶと指摘しました。競技そのものと同じくらい、観戦体験や中継の質が「スポーツの魅力の伝わり方」を決めていく、という捉え方です。
ミラノ・コルティナ2026は「史上最も広域」 便利さと副作用
ミラノ・コルティナ2026は、スノー競技が5つの異なる場所で行われる、地理的に最も広範囲な冬季五輪になるとされています。スノーボード競技は開会式の前日(2月5日)に始まり、大会は2月6日に正式開幕します。
イタリアでの冬季五輪開催は、1956年コルティナ・ダンペッツォ、2006年トリノに続いて3回目です。今回は「分散開催」を前提に、既存施設の活用も含めた運営が注目されます。
「実験」になるのか――物流・費用・カーボンフットプリント
一方でエリアシュ会長は、広域開催が選択肢を増やす利点を認めつつも、次のような“副作用”があると語りました。
- 物流(移動や輸送)の難しさ
- コスト増の可能性
- カーボンフットプリント(活動に伴う温室効果ガス排出量)の増加
これが将来の主流になるのか、それとも「実験」として位置づけられるのかは、ミラノ・コルティナ終了後に評価されるべきだ、という見立てです。大会の“スケールの大きさ”が、同時に“運営の難しさ”を引き上げる構図が浮かびます。
注目選手:谷愛凌(グー・アイリン)とリンゼイ・ボン
競技面では、エリアシュ会長はスキーファンとして、中国本土のスター選手・谷愛凌(グー・アイリン)に注目すると述べました。北京2022で女子フリースキービッグエアとハーフパイプの金メダルを獲得した谷選手は、イタリアでも活躍が期待される存在として多くの視線を集めています。
また、米国のアルペンスキー選手リンゼイ・ボンの名前も挙げ、「彼女が成し遂げてきたことに言葉を失う」と、その実績への驚きを口にしました。
今、何が問われているのか
北京2022の評価が「会場の質」や「運営の総合力」に向けられていたのに対し、ミラノ・コルティナ2026では「分散開催の設計」が大きなテーマとして浮上しています。華やかなメダル争いの裏側で、移動・コスト・環境負荷をどう両立させるのか。大会が始まる今週、その答えは競技結果と同じくらい静かに注目を集めそうです。
Reference(s):
FIS chief praises Beijing 2022, looks forward to Milano Cortina 2026
cgtn.com








