トランプ氏「投票を国が引き取れ」発言、2026年中間選挙前に波紋
2026年の米中間選挙を前に、トランプ大統領が「投票プロセスを共和党が“nationalize(国レベルで引き取る)”すべきだ」と語り、選挙運営のあり方をめぐる議論が再燃しています。
何があった?トランプ氏の「nationalize」発言
トランプ大統領は2月3日までに、元FBI副長官ダン・ボンジーノ氏が司会を務めるポッドキャストで、共和党が少なくとも15の地域で投票を「take over(引き取る)」べきだと述べ、「投票をnationalizeすべきだ」と主張しました。
大統領は具体的な制度設計や対象地域の詳細は示さない一方、いくつかの州の集計を「crooked(不正がある)」などと非難。さらに、2020年大統領選(ジョー・バイデン氏が勝利)について不正があったという従来の主張を繰り返し、違法投票が移民によって行われているという見方も語りました。
タイミングの背景:テキサスでの“想定外”の敗北
今回の発言が注目されるのは、共和党がテキサス州で大きな選挙的打撃を受けた直後だからです。
- 1月31日:テキサス州タラント郡の州上院補欠選挙で、民主党のテイラー・レームット氏(労組の機械工、空軍 veteran)が勝利
- 共和党が数十年守ってきた議席で、共和党候補リー・ワムスガンス氏に14ポイント超の差をつけたとされています
- トランプ氏はワムスガンス氏を「MAGA Warrior」として支持していた一方、2月2日までに「自分は投票用紙に載っていない」と述べ、敗北との距離を取る姿勢も見せました
「投票のnationalize」とは何を意味するのか
トランプ大統領は詳細を語っていません。ただ、文脈上は「州・郡が担ってきた選挙運営に、より強い形で(共和党や連邦レベルが)関与する」趣旨にも読めます。
米国の選挙は州や地方政府が大きな権限を持つ仕組みとして知られ、投票所運営、集計、機器管理などは地域ごとの差が出やすい分野です。そこを「全国で統一」「中央(国)に寄せる」方向の発言は、制度論としても政治的なメッセージとしても波紋を広げやすいところです。
民主党側の警戒感:2026年選挙への介入をめぐる懸念
民主党は、トランプ大統領が選挙運営に踏み込む可能性を警戒しています。民主党のクリス・マーフィー上院議員は1月26日のCNNで、トランプ氏が「2026年の選挙に干渉しようとしている」との趣旨で懸念を示し、2020年について「投票機を押さえなかったことが後悔だ」といった主張に言及しました。
一方で、トランプ大統領は1月27日に出演した番組で、中間選挙について「勝っても(与党は)中間選挙で負けることが多い」と述べ、与党側の苦戦を示唆するような発言もしています。
今後の注目点:言葉が制度論に変わるのか
現時点では、今回の「nationalize」発言は具体策よりも政治的メッセージの色合いが濃いものの、2026年の中間選挙が近づくほど、次の点が焦点になりそうです。
- 具体化の有無:どの地域を、どの権限で「引き取る」のか。法制度や運用に落ちるのか
- 州・地方との関係:選挙の主たる担い手である州・郡との摩擦が生じるか
- 不正主張の扱い:不正や違法投票の主張が、選挙管理や投票参加の空気にどう影響するか
選挙の信頼は、勝敗そのものだけでなく「負けた側も結果を受け入れられる手続き」によって支えられます。言葉がどこまで現実の制度設計に踏み込むのか——2026年序盤の米政治の大きな論点になりそうです。
Reference(s):
Trump says Republicans should 'nationalize' voting before midterm
cgtn.com








