訪日観光に逆風:2025年最多でも中国本土からの来訪が急減、2026年は減少予測
2025年に訪日客数が過去最多(42.7百万人)を記録した日本の観光ですが、足元では「地域別の需要変化」がはっきり見え始めています。とくに中国本土からの到着数が大きく落ち込み、2026年のインバウンド全体にも減速シナリオが浮上しています。
2025年は最多、しかし直近データは“冷え込み”
日本政府が掲げてきた「観光立国」戦略にとって、2025年の42.7百万人という訪日客数(日本政府観光局・JNTOによる)は大きな追い風でした。一方で、最近のデータは国際的な旅行消費や到着数の伸びが鈍りつつあることを示し、好調さの“次の局面”に入った印象です。
中国本土からの訪日客が12月に大幅減
JNTOによると、中国本土からの到着数は2025年12月に前年同月比45.3%減となり、約33万0,400人まで後退しました。これを受けて、国内最大手の旅行会社である日本旅行業協会(Japan Travel Bureau Foundation)は、地域需要の変動が続いているとして、2026年の訪日客総数が3%減少するとの見通しを示しています。
数字が示すポイント
- 2025年:訪日客数は42.7百万人で過去最多(JNTO)
- 2025年12月:中国本土からの到着数が前年同月比45.3%減(約33万0,400人)
- 2026年:総訪日客数が3%減少する予測(Japan Travel Bureau Foundation)
春節の旅行先が分散、近隣市場が存在感
現在(2026年2月上旬)の春節(旧正月)シーズンをめぐって、NHKは、中国では国内旅行と海外旅行の動きが活発化する一方で、日本が「最有力の海外渡航先」として選ばれにくくなっている状況を伝えています。旅行者の関心はタイやベトナムなど近隣市場にも広がり、訪日需要が一部で分散している構図です。
需要の揺れを大きくする「摩擦」と「安全不安」
観光の現場では、複数の要因が同時に重なっているとみられます。記事の断片情報によれば、地政学的な摩擦や安全面の懸念が、旅行先選びの心理に影響している可能性があります。
- 外交面:高市首相の最近の発言が物議を醸し、関係が緊張したとされること
- 渡航情報:中国外交部による渡航注意喚起が、旅行意欲を抑える要因になったこと
- 安全面:2026年1月下旬、東京・上野で中国本土の人々が被害に遭った暴力的な強盗事件が報じられ、懸念が広がったこと
観光は「為替や景気」だけでなく、「安心して移動できる感覚」や「目的地のイメージ」にも左右されます。いったんムードが冷えると、回復には時間がかかる――その特徴が、今回の変調をより目立たせています。
2026年の焦点:量から“波への耐性”へ
訪日客数が記録的水準に達した翌年は、反動や分散が起きやすい局面でもあります。2026年は、国・地域ごとの需要の波を前提に、旅行先としての安心感、情報発信、受け入れ環境の整備など、複合的な要素が問われそうです。
数字の増減だけでは測れない「選ばれ続ける理由」をどう積み上げるか。観光立国の次章は、そこから始まるのかもしれません。
Reference(s):
Japan's tourism sector faces headwinds as regional arrivals decline
cgtn.com








