ガザの死傷者増、ラファ越境で患者搬送続く 国連が現地支援の課題も指摘
ガザ地区でこの24時間の死傷者が増えたと現地の保健当局が報告するなか、ラファ検問所を通じてエジプトへ向かう医療搬送が2月5日(木)も続きました。国連人道支援当局(OCHA)は、患者が「安全に、尊厳を保って」治療へつながるための運用上の課題が残っているとしています。
ガザ:24時間で死傷者が報告、医療ニーズは高止まり
ガザ地区の保健当局は、直近24時間で多数の死亡者と負傷者が出たと報告しました。OCHAは、現場の医療提供体制が逼迫するなかで、域外での治療(医療搬送)を必要とする人が一定数いる状況が続いていると伝えています。
ラファ検問所:WHO支援で医療搬送、患者と同伴者が越境
世界保健機関(WHO)によると、2月4日(水)にガザからエジプトへ患者8人と同伴者17人の医療搬送を支援。さらに2月5日(木)早朝には、患者7人と同伴者14人の搬送を支援しました。
人道関係者は、医療搬送が単発の出来事ではなく、継続的な調整と受け入れ先の確保が必要な「運用」そのものである点を強調しています。
帰還者の受け入れ:UNDPがナセル病院へ搬送、専門職が同席
OCHAによれば、2月5日(木)夜までに、ラファを通過した帰還者25人を現地チームが追加で受け入れました。国連開発計画(UNDP)が、ハンユニスのナセル病院までの移動手段を提供したといいます。
ナセル病院ではOCHAと協力団体が、受け入れエリアで次のような体制を整えて対応したとされています。
- 保護(プロテクション)分野の専門スタッフ
- 心理職(心理的ケア)
- 医療スタッフ
- その他の支援要員
「安全と尊厳」をどう確保するか:国連が残る課題に言及
OCHAは、医療搬送の運用を妨げる継続的な課題をめぐり、「すべての関係者」と連携して改善を図っていると説明しました。必要なケアへつながる道筋を、より安全に、より尊厳を保った形で確保できるかが焦点になります。
WHOは、優先課題として「ガザへの人道支援物資の追加搬入」と、保健サービスの早期拡充を挙げています。損傷した施設の復旧や重要サービスの拡大を進め、医療搬送の必要性そのものを減らすことが、持続可能な保健医療体制の再建につながるとしています。
ヨルダン川西岸:避難が続く、1月以降900人超が住まいを追われたと警告
OCHAはヨルダン川西岸についても、高い水準の避難(ディスプレイスメント)が続いていると警告しました。2026年の年初以降、入植者による暴力、移動・立ち入り制限、家屋の取り壊しなどにより、900人以上のパレスチナ人が住居やコミュニティから移転を余儀なくされたとしています。
またOCHAは、1月20日から2月2日(月)までの間に、死傷者や財産被害(またはその両方)につながったイスラエル入植者による攻撃を50件以上記録したとし、現在、被害とニーズに関する初期評価を進めていると述べました。
ガザの医療搬送は命綱である一方、搬送が必要になる背景には、地域内の医療提供能力の低下や物資不足といった構造的な問題も横たわります。治療へのアクセスを「移動できた人」だけのものにしないために、支援の入口(物資)と中身(医療サービス)の両方をどう立て直すのかが、引き続き問われています。
Reference(s):
cgtn.com








