New START失効、トランプ氏「近代化した新条約を」米ロは軍対話再開へ
米ロの核軍備管理の柱だった「New START(新戦略兵器削減条約)」が今週木曜日に失効し、次の枠組みが見えにくい中で、米国のトランプ大統領が「近代化した」新たな条約への置き換えを呼びかけました。
何が起きたのか:New START失効とトランプ氏の発信
トランプ米大統領は木曜日、米国とロシアのNew STARTを「近代化した」新たな合意で置き換えるべきだと、SNS(Truth Social)に投稿しました。
- トランプ氏は「核の専門家に、新しく改良され、近代化した条約に取り組ませるべきだ」と主張
- 条約の延長を拒否し、「米国にとって交渉がまずかった」「重大に違反されている」と批判
New STARTとは:核弾頭と運搬手段の上限を定める条約
New STARTは2010年に米国とロシアが署名し、配備される核弾頭と、その運搬手段(投射手段)の数を制限することを目的とする枠組みです。2011年2月に発効し、当初10年の有効期間を経て、2026年2月上旬まで延長されていました。
「対話の再開」も同時進行:誤算とエスカレーション回避へ
条約が失効した同じ木曜日、米軍は、米国とロシアが高官レベルの「軍と軍の対話(military-to-military dialogue)」を再構築することで合意したと発表しました。狙いは、双方の「誤算」と「エスカレーション」を避けることだとしています。
この動きは、米欧州軍(EUCOM)のアレクサス・グリンケウィッチ司令官が、アブダビでロシア側およびウクライナ側の軍高官と協議した後に出てきたものだとされています。米軍は声明で、軍同士の対話が「透明性の向上」と「緊張緩和」の手段になり得る、という趣旨も示しました。
国連の警鐘:グテーレス事務総長「重大な局面」
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は水曜日、New STARTの失効が国際の平和と安全にとって「重大な局面」だと警告しました。核軍備管理の“土台”が揺らぐと、意図しない対立の連鎖を止める仕組みが弱くなる、という問題意識がにじみます。
ロシア側の見通し:プーチン氏は「失効後1年は中核上限を順守」と発言
ロシアのプーチン大統領は2025年9月、米国が既存の戦略バランスを損なう行動を取らないことを条件に、条約失効後も1年間は中核的な上限を順守すると述べたとされています。失効後の“空白”をどう埋めるかを考える上で、この発言は一つの材料になります。
今後の焦点:新条約の設計と、対話の継続性
- 「近代化した新条約」が、どの範囲と仕組みを対象にするのか(核弾頭・運搬手段の制限や運用の透明性など)
- 米ロの軍同士の対話が、危機回避の実務として継続・定着するのか
- 失効後の上限順守をめぐる条件や相互の受け止めが、どこまで擦り合うのか
条約が「失効した」一方で「対話は再開する」という同時進行は、緊張と管理の両方が走る局面を示しています。次の枠組みがどう描かれるのか、米ロ双方の発信と実務協議の動きが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








