ケニア北東部で深刻干ばつ、子どもに栄養危機 家畜と水が尽きる現場
ケニア北東部で干ばつが長期化し、家畜と生計が失われるなかで、子どもの栄養状態悪化が医療現場を圧迫しています。雨の不足が「次に命を落とすのは子どもでは」との不安を現地に広げている点が、いま重要です。
雨が止まったままのマンデラ県、家畜が暮らしの土台
干ばつの影響が強いのは、エチオピアとソマリアに接するマンデラ県です。地域は牧畜に生活が強く依存しており、雨の不足はそのまま家計と食の崩れにつながります。
現地では、家の近くで死んだ家畜を運び出して焼却し、腐敗臭やハイエナなどの動物を遠ざけようとする動きも出ています。タワカル村の住民ビシャール・マアリム・モハメドさん(60)は、牛やヤギをすべて失ったと話しました。
水場が干上がり、30kmの移動と配給へ
近隣のバニッサでは、かつて約6万立方メートルの水をたたえた人工の貯水池(水盤)が完全に干上がり、土埃の立つ盆地のようになっています。家畜の群れは最寄りの機能する給水地点まで最大30km移動を強いられ、当局は限られた水の配給を始めました。
住民のアデン・フセインさんは「2週間でこの水も終わる。非常に厳しい状況だ」と述べています。
数字で見る:2025年から続く雨不足と、広域の食料不安
- マンデラ県では、雨が降っていない状態が2025年5月以降続いているとされています。
- ケニア全体では、2025年10〜12月の短雨期が不調で、降水量は平年を大きく下回りました。
- 23の郡で200万人超が食料不安の深刻化に直面しているとされます。
- 国家干ばつ管理当局は9郡を警戒段階に置き、マンデラは国家緊急事態の一歩手前に当たる「アラーム」段階とされています。
さらに、飢饉早期警戒システム(FEWS NET)は、ケニア、ソマリア、エチオピアの広い範囲で2,000万〜2,500万人が人道的な食料支援を必要としており、その半数以上が干ばつの影響を受けていると推計しています。
子どもへの影響:病院に押し寄せる重度栄養失調
バニッサの主要病院では、重度の栄養失調の子どもが増え、小児病棟が対応に追われています。エチオピア側から来るケースもあるとされ、両国国境に近い医療拠点ならではの圧力が強まっています。
タワカル村のモハメドさんは「次に亡くなるのは私たちの子どもだ」と静かに語りました。家畜の減少は、食料(乳や肉)と収入の同時喪失を意味し、家庭の食卓と医療の双方に遅れて影響が出やすいのが特徴です。
いま注目される焦点:雨、給水、医療の“持ちこたえ”
2026年2月現在、現地で焦点となっているのは、(1)給水地点の残量と配給の継続、(2)家畜の追加損失をどこまで抑えられるか、(3)病院が栄養治療を続けられる体制、の3点です。雨が戻るまでの「つなぎ」をどう確保するかが、子どもの健康状態を左右しそうです。
Reference(s):
cgtn.com








