トランプ氏SNSの「オバマ夫妻を類人猿化」AI動画、批判受け削除へ
米国のドナルド・トランプ大統領のソーシャルメディアアカウントに、バラク・オバマ元大統領とミシェル・オバマ元ファーストレディを類人猿として描いたAI生成動画が投稿され、強い批判を受けて削除されました。政治的対立が激しい中でも「表現の一線」をどう扱うのかが、改めて問われています。
何が起きたのか:AI生成クリップが投稿され、約12時間で削除
報道(Axios)によると、この短いクリップはMAGA系のミームアカウントが作成した長尺動画の一部で、米東部時間の木曜23時44分にトランプ氏のTruth Socialに投稿され、その後およそ12時間掲載されたのち、金曜に削除されました。
問題視されたのは、オバマ夫妻を類人猿として描写する内容で、人種差別的な表現だとして批判が広がりました。
共和党からも批判:ティム・スコット上院議員がXで言及
共和党のティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州)は金曜朝、Xで「ホワイトハウスから見た中で最も人種差別的なものだ。大統領は削除すべきだ」と趣旨の投稿をしました。
与党側からも公然と問題視する声が出たことで、単なるネット炎上ではなく、政治的な波紋が広がった形です。
民主党側の反応:ジェフリーズ院内総務が「即時非難」を要求
下院民主党トップのハキーム・ジェフリーズ院内総務はXで、オバマ夫妻は「この国の最良の姿を体現している」と述べたうえで、「共和党は全員、トランプ氏の不快な偏見を直ちに非難すべきだ」と主張しました。
トランプ氏の説明:「もちろん非難する」一方で、謝罪には消極的
トランプ氏は同日、記者から動画を非難するか問われ、「もちろんする」と答えました。
一方、共和党議員らを含む人々から謝罪を求める声が出ていることについては、「私は間違いを犯していない。私はたくさんのものを見る——何千もだ」と述べたとされています。
ホワイトハウスの説明:『ライオン・キング』の構図だという主張
ホワイトハウス当局者はこれまで投稿を擁護してきたとされ、カロライン・レヴィット報道官は声明で「トランプ大統領を“ジャングルの王”として、民主党を『ライオン・キング』の登場人物に見立てたネットミーム動画だ」と説明しました。
なぜ今、このニュースが注目されるのか
今回の件は、政治家本人の発言だけでなく、SNSで拡散されるミームやAI生成コンテンツが“公式発信”に近い重みを帯びうる現実を示しました。特に、歴史的に差別と結びついてきた表現が混ざった場合、次の論点が一気に噴き出します。
- 投稿の意図は何だったのか(風刺・揶揄の範囲か)
- 責任の所在はどこにあるのか(作成者/拡散者/投稿した本人)
- 削除と説明は十分なのか(謝罪、再発防止、運用体制)
米国メディアや論者の間では、トランプ氏の言動が人種差別的だと繰り返し指摘されてきた、という文脈もあります。今回の削除は、そうした評価が「投稿の運用」にまで及んだ局面とも言えそうです。
動画には他の民主党関係者も登場
Axiosによると、元大統領ジョー・バイデン氏、元副大統領カマラ・ハリス氏、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員、ニューヨーク市長ゾーラン・マムダニ氏、ヒラリー・クリントン元国務長官らも、同じ長尺動画の中に含まれていたとされています。
(通信社などの情報を含む)
Reference(s):
Clip depicting Obamas as apes pulled from Trump account after backlash
cgtn.com







