バングラデシュでニパウイルス死亡例、WHO「公衆衛生リスクは低い」
バングラデシュ西部ラジシャヒ管区でニパウイルス(NiV)による死亡が報告されました。WHO(世界保健機関)は、公衆衛生上の総合的リスクを国内・地域・世界いずれも「低い」と評価しています。
何が起きたのか:ラジシャヒ管区ナオガオン県で死亡例
WHOによると、バングラデシュのラジシャヒ管区ナオガオン県で、ニパウイルス(NiV)による死亡が確認されました。患者は1月28日に入院し、同日中に死亡しました。
その後、1月29日の検査でNiV感染が確認され、死亡例としては2月3日に公式に報告されたとされています。
2月8日現在の状況:濃厚接触者35人は全員陰性、追加症例なし
保健当局は、亡くなった患者の接触者35人を特定して健康観察を実施。WHOの発表では、全員が検査で陰性で、追加の症例はこれまで報告されていません。
感染の手がかり:生のナツメヤシ樹液(date palm sap)を摂取
患者には最近の渡航歴はなかった一方で、生のナツメヤシ樹液を摂取していたことが確認されています。WHOは、NiVの感染リスク要因としてこの樹液の摂取を挙げています。
NiVの流行は、特に12月〜4月にかけての生のナツメヤシ樹液の採取・摂取と関連づけられることが多いとされています。
WHOの評価と当局の対応:リスクは低いが、監視と啓発が焦点
バングラデシュの保健・家族福祉省は、公衆衛生上の対策を開始したとされています。WHOは今回の事案について、国内・地域・世界レベルの総合的な公衆衛生リスクを「低い」と評価しました。
ニパウイルス(NiV)とは:動物由来で致死率が高い一方、早期ケアが鍵
WHOによると、ニパウイルスは人獣共通感染症(動物から人へうつる感染症)の病原体で、オオコウモリ(果物を食べるコウモリ)のほか、野生動物や家畜などから人へ感染し得ます。特徴として死亡率が高いことが挙げられます。
一方で、早期の支持療法(対症的に体を支える治療)により、生存率が大きく改善する可能性があるとされています。
過去の報告地域:バングラデシュ以外でも確認
WHOは、これまでにNiVの症例がバングラデシュ、インド、マレーシア、フィリピン、シンガポールで報告されているとしています。
今回の発表は「大きな拡大が起きている」という話ではなく、限られた情報の中で、感染経路の手がかり(生の樹液)と、追加症例が出ていないという事実を同時に示したかたちです。流行期(12月〜4月)とされる時期でもあるだけに、今後も監視と情報提供のあり方が注目されます。
Reference(s):
WHO: Bangladesh reports Nipah Virus death in Rajshahi Division
cgtn.com








