イラン「米国との協議は前進」 核問題は対話優先、軍事圧力は拒否
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は2026年2月8日(現地時間)、最近行われた米国との協議について「一歩前進だ」と述べ、紛争解決の手段として対話を戦略的に重視する姿勢を改めて示しました。一方で、軍事的な圧力による交渉の進め方は受け入れない考えも強調しています。
「対話は戦略的選択」イラン大統領のメッセージ
ペゼシュキアン大統領は、問題解決は平和的手段によるべきだとし、対話を続けることがテヘランの選択だと説明しました。核問題については、核拡散防止条約(NPT)に明記された権利に根差す「合法で原則的な立場」だと述べています。
また、イラン国民について「尊重には尊重で応えるが、力の言葉は受け入れない」と語り、威圧的な圧力への反発をにじませました。
外相は強硬トーン:濃縮は「正当な権利」、圧力では屈しない
アッバス・アラグチ外相は同日、国内会議の場で、ウラン濃縮はイランの「正当な権利」だと主張しました。米国の軍事的圧力についても、国を脅かすものにはならないとの認識を示しています。
外相は、平和的な核計画のためにイランは「非常に重い代償を払ってきた」と述べ、いま後退することはないと強調しました。さらに、濃縮について「誰の命令も受けないことを示すためだった」と位置づけつつ、疑問があるなら外交で扱うと語っています。
「戦争が押し付けられても」――発言が示す抑止と交渉の同居
アラグチ外相は、たとえ戦争が「押し付けられる」状況になっても濃縮の権利は放棄しないと述べました。一方で「イランは原爆を追求していない」とも繰り返し、交渉が成功する条件として「イランの権利の承認」を挙げています。
協議の舞台はオマーン、次回は「来週前半」と米大統領
イランと米国は2月6日、オマーンの首都マスカットで間接交渉を行いました。同じ日、米国のドナルド・トランプ大統領は、来週前半に次の協議を行うと述べ、イランが核兵器を保有してはならないという立場を改めて示しています。
軍事配備をめぐる応酬:交渉環境に影を落とすか
アラグチ外相は、米国の湾岸での艦艇配備について「恐れない」と述べました。米国大統領特使スティーブ・ウィトコフ氏が、同地域に展開する空母「USSエイブラハム・リンカーン」を訪れた後の発言として、軍事的な示威が交渉を左右しないとの姿勢を鮮明にしています。
外相は「外交の人間であり、同時に(防衛の意味で)戦争に備える人間でもある」と述べ、交渉継続と抑止の両輪を示唆しました。
いまの焦点:次回協議で何が問われるのか
- 交渉の土台:イランが求める「権利の承認」と、米国が重視する「核兵器を持たせない」の接点
- 圧力と対話のバランス:軍事配備を背景にした交渉が、妥結の材料になるのか、反発を強めるのか
- 言葉の選び方:「前進」という評価が、具体的な合意の枠組みに結びつくか
用語ミニ解説:NPTとは
NPT(核拡散防止条約)は、核兵器の拡散防止と軍縮、平和利用の枠組みを定める国際的な取り決めです。今回イラン側は、核問題をめぐる自国の主張がこの枠組みに沿うものだと繰り返し示しました。
交渉は「続ける」と「譲らない」が同時に語られる局面に入っています。来週前半に予定される次回協議で、言葉の強さが具体的な前進につながるのかが注目されます。
Reference(s):
Iran says talks with U.S. a 'step forward,' rejects military pressure
cgtn.com








