トランプ氏の「平和ボード」構想、国連代替に?パレスチナ側が懸念
米国のドナルド・トランプ大統領が掲げる新組織「ボード・オブ・ピース(Board of Peace)」構想が、国連に代わる枠組みになり得るとして、パレスチナ側が懸念を示しています。2026年2月上旬の発言で、当事者が参加しないまま外交の土台が作り替えられるのかが焦点になっています。
何が起きたのか:ファタハ幹部が「メッセージが不明確」
日曜日、パレスチナ当局者らは、トランプ大統領が「ボード・オブ・ピース」を国連の代替として位置づけようとしている、との見方を示しました。
ファタハ中央委員会のサブリ・サイダム副書記長は記者団に対し、この組織のメッセージは依然として不明確であり、パレスチナ側が排除されていると述べています。
「ボード・オブ・ピース」とは:ダボスで正式発足
トランプ大統領は、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)の憲章署名式で、2026年1月22日に「ボード・オブ・ピース」を正式に立ち上げました。
報道によれば、主要な世界の大国や、従来の米国の同盟国の一部は参加を見送ったとされています。参加国・地域の広がりが限定的な場合、国際的な正統性をどう確保するのかが課題になります。
パレスチナ側の懸念:「排除」「権利の抹消」「移住の促進」
サイダム氏は、トランプ大統領がパレスチナ側を排除するプロジェクトを進め、権利を消し去り、移住(displacement)を促す方向に固執しているのではないかという不安があると語りました。
この発言は、枠組みそのものへの反対というよりも、「当事者不在で進む和平設計」への警戒感をにじませるものです。
「国際機関を支えるべき」:パレスチナ外務次官の強調点
パレスチナ自治政府で政治・法務を担当するオマル・アワダッラー外務次官は、国際機関を支えつつ、地域の安全、安定、和平を進める重要性を強調し、最終的な目標としてパレスチナ国家の樹立に言及しました。
また、パレスチナのラジオ局「Voice of Palestine」で、新たに作られる評議会のような枠組みは、正統なパレスチナの諸機関に取って代わるべきではないと述べています。加えて、パレスチナ側が求める優先事項として、以下を挙げました。
- 安定の確保
- ガザ地区での戦争の終結
- 殺害と破壊の停止
- ガザの回復と復興
いまの論点:国連の「代替」か「補完」か
今回の争点は、単に新組織の是非だけではありません。国連のような既存の国際枠組みを「代替」するのか、それとも「補完」するのかで、外交の手触りは大きく変わります。
特に、当事者が排除されていると受け止められる状況が続けば、和平を目指す場であるほど、合意の実効性や持続性が問われやすくなります。
今後の注目点:参加の広がりと、当事者の席があるか
この問題を追ううえでは、次の点が当面のチェックポイントになりそうです。
- 「ボード・オブ・ピース」の参加メンバーがどこまで広がるのか
- 国連とどう関係づけるのか(代替か、補完か)
- パレスチナ側を含む当事者の関与が確保されるのか
- ガザ地区の戦争終結や復興の道筋と、枠組みがどう連動するのか
外交の新設組織は、理念だけでなく「誰が席につくか」で輪郭が決まります。2026年に入り、和平をめぐる議論の舞台がどこへ移るのか、静かに注視する局面が続きそうです。
Reference(s):
Trump wants 'Peace Board' to be UN alternative, Fatah's official says
cgtn.com








