エプスタイン関連で英首相補佐官とノルウェー外交官が辞任 任命責任が焦点に
【リード】米金融業者ジェフリー・エプスタイン氏をめぐる新たな資料公開を受け、英国とノルウェーで要職の辞任が相次ぎました。政治や外交の「信頼」をどう回復するのかが、いま静かに問われています。
英国:スターマー首相の首席補佐官が辞任、火種は駐米大使人事
英国メディアは2月8日(現地時間)、キア・スターマー首相の首席補佐官モーガン・マクスウィーニー氏が辞任したと報じました。背景には、首相がかつて元労働党政治家ピーター・マンデルソン氏を駐米大使に起用した判断をめぐる批判が積み重なっていたとされています。
報道によればマンデルソン氏(72)は、トニー・ブレア元首相・ゴードン・ブラウン元首相の下で閣僚を務めた経歴を持ち、2025年初めにワシントンの大使に任命されました。しかし、その後、故エプスタイン氏との近しい関係が報じられ、英国政治のスキャンダルとして波紋を広げ、スターマー首相は後に同氏を解任したと伝えられています。
マクスウィーニー氏は辞任書簡で、次のように述べたとされています。
「ピーター・マンデルソンを任命する決定は誤りでした。彼は党、国、そして政治そのものへの信頼を傷つけました。任命について問われた際、私は首相にその任命を進言し、その助言の責任を全面的に負います」
何が争点になっているのか
- 任命判断の妥当性:スキャンダルが拡大する前に、どこまでリスクを見通せたのか
- 説明責任の取り方:誰が、どの情報に基づいて、どんな手続きを踏んだのか
- 政権運営への影響:首相周辺の中枢人事が揺らぐことの意味
ノルウェー:駐ヨルダン大使が辞任、外相は「必要な判断」
同日、ノルウェーでも波紋が広がりました。報道によると、駐ヨルダン大使(イラク兼轄)のモナ・ユール氏が辞任。エスペン・バルト・アイデ外相は、エプスタイン氏との接触が「重大な判断ミス」に当たり、職務に必要な信頼を損なうとして「正しく、必要な判断」だと述べたとされています。
ユール氏は先週、外務省が同氏の認識や接触状況を確認する間、職務を外れていました。外務省は辞任後も内部の事実確認(ルール遵守の検証)を継続し、在職中だけでなく公務外の行動規範も焦点にするとしています。
助成金と外部機関の接点も再点検へ
外務省は別途、ユール氏の夫テルイェ・ロード=ラーセン氏が率いていた時期の「国際平和研究所(IPI)」への助成や接触についても見直しを始めたとされています。外相は、ロード=ラーセン氏とエプスタイン氏の接触に関する情報が「非常に広範で、極めて懸念される」と述べ、「判断が不十分だったことに疑いはない」との見方を示したと報じられています。
引き金:2026年1月末の追加資料公開、国内外で波及
エプスタイン氏は2019年に死亡した米国の金融業者で、性的人身取引などで告発されていました。米司法省は2026年1月30日、「エプスタイン・ファイル透明化法」に基づき、追加で300万ページ超の資料を公開したと発表したとされています。同法は、報道によれば2025年11月にドナルド・トランプ大統領が署名し成立したと伝えられています。
ノルウェーではさらに、経済・環境犯罪を扱う捜査当局オコクリムが2月5日、元首相トルビョルン・ヤーグラン氏について、公開資料の情報を根拠に「加重汚職の疑い」で捜査を開始したと発表したと報じられました。ヤーグラン氏はノーベル委員会委員長、欧州評議会事務総長などを歴任しています。
「関係」ではなく「手続き」が問われる局面に
今回の一連の動きが示すのは、個人の交友関係そのもの以上に、公職に就く人の判断基準と組織のチェック手続きが政治の信頼を左右するという現実です。人事、監督、説明の積み重ねが、どこまで透明に設計されているのか。資料公開が続くかぎり、各国の政治と外交は「疑念への向き合い方」そのものを試されそうです。
Reference(s):
Starmer's chief of staff, Norwegian diplomat resign over Epstein links
cgtn.com








