西岸で統制強化へ イスラエル決定にアラブ・イスラム8カ国が強く非難
2026年2月9日、イスラエルがヨルダン川西岸(西岸地区)での統制を深めるとされる一連の決定を進めたことをめぐり、複数のアラブ・イスラム諸国が相次いで非難しました。入植活動の拡大や「二国家解決」への影響が、あらためて国際社会の焦点になっています。
何が起きたのか:8カ国が共同声明、パレスチナ側は緊急会合を要請
パレスチナのフセイン・アル=シェイク副大統領は2月9日、アラブ連盟理事会、イスラム協力機構(OIC)、国連安全保障理事会に対し、イスラエル政府の「危険な決定」を協議するための緊急会合開催を求めました。国際社会として一致した立場で、措置を非難し即時撤回を求める必要がある、と強調した形です。
同日、エジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア、パキスタン、トルコ、サウジアラビア、カタールの外相は共同声明を発表。イスラエルによる一連の決定・措置を「違法」として強い言葉で非難し、占領下のパレスチナ領土に対してイスラエルは主権を持たない、との立場を確認しました。
批判の中心:入植活動の「既成事実化」と法的地位の変更
共同声明は、ヨルダン川西岸の占領下における措置が国際法に反し、地域の和平・安定に向けた取り組みを損なう、と指摘しています。とりわけ、入植活動を「定着」させる狙いの政策だとして、継続的な拡大に警鐘を鳴らしました。
各国外相は、国際社会に対し「法的・道義的責任」を果たし、イスラエルに対してヨルダン川西岸での「危険なエスカレーション」を止めるよう求めるべきだ、と訴えています。
イスラエル治安閣僚会議の決定:何が承認されたのか
2月8日(現地時間の日曜日)、イスラエルの治安閣僚会議は、ヨルダン川西岸の法的・民事上の位置づけを変更し、統制を強めることを目的とした複数の決定を承認したとされています。
報じられた主な措置は次の通りです。
- ユダヤ人への土地売買を禁じる法律の撤廃
- 取引に必要とされていた特別許可の要件の撤廃
- 約20年にわたり停止していた国有地取得委員会の再稼働
背景:1967年以降の占領と、入植をめぐる国際法上の位置づけ
イスラエルは1967年の中東戦争でヨルダン川西岸と東エルサレムを占領しました。これらの地域で建設されてきた入植地と、継続する軍事占領は、国際法上「違法」と広く見なされている、というのが今回の声明やパレスチナ側の問題提起の土台になっています。
パレスチナ当局はこれまでも、入植拡大やイスラエル側の民政権限の拡張が、独立したパレスチナ国家の樹立可能性を損なうと繰り返し警告してきました。
今後の焦点:緊急会合の行方と「二国家解決」への影響
今後は、アラブ連盟、OIC、国連安保理が緊急会合の要請にどう応じるのか、また国際社会がどの程度具体的な働きかけを行うのかが注目点になります。現地での行政・司法・治安の枠組みが変わるほど、当事者間の不信が深まり、和平への道筋が一段と描きにくくなる可能性も指摘されています。
一方で、地域の安定を求める声が強まるほど、外交のテーブルに議題が戻る余地も生まれます。今回の非難と要請が、どの国際枠組みで、どの言葉として結実するのか。静かながら重い局面が続きそうです。
Reference(s):
Islamic countries condemn Israel's deepened control over the West Bank
cgtn.com








