マスク氏、SpaceXは「月の自己成長都市」を優先へ——火星より先に
宇宙開発の焦点がまた一段、動きました。SpaceXのイーロン・マスク氏は2026年2月上旬、自社の最優先事項を「火星の都市」から「月の“自己成長する都市”」へと寄せる考えを示しました。
マスク氏の発言:「月のほうが早い」
マスク氏は日曜日(2026年2月8日)に、SpaceXが月面に「self-growing city(自己成長する都市)」を築くことへ注力していると述べ、10年未満で達成できる可能性にも言及しました。
一方で、長年の目標である火星の都市構想も捨てたわけではなく、X上で「5〜7年以内に着手する意図はある」としつつ、「文明の未来を確保するうえで最優先は月で、月のほうが早い」と書きました。
投資家向けの説明とも一致:無人月面着陸は2027年3月が目標
この発言は、ウォール・ストリート・ジャーナルが金曜日(2026年2月6日)に報じた内容とも重なります。同紙は、SpaceXが投資家に対し「当面は月を優先し、火星は後の段階で試みる」方針を伝えたと報道。さらに、2027年3月に無人の月面着陸を狙う計画だとしています。
「火星一直線」からの転換が際立つ理由
今回のポイントは、単に月の計画を語ったことではなく、優先順位を明確に入れ替えた点です。マスク氏はこれまで、SpaceXの主要目的地として火星を強く打ち出してきました。
- 2025年(昨年)時点では「2026年末までに無人の火星ミッション」を目指すと発言していました。
- さらに2025年1月には、Xで月を「気を散らすもの(distraction)」と表現し、「まっすぐ火星へ」と述べていました。
それだけに、「月が早い」「月が最優先」という今回の言い回しは、戦略メッセージとしても目を引きます。
時間軸の整理:いま出ている“約束”は何か
現時点(2026年2月10日)で、マスク氏の発言と報道から読み取れる見取り図は次のとおりです。
- 月の自己成長都市:10年未満で実現可能性に言及
- 火星の都市構想:5〜7年以内に着手する意図
- 無人の月面着陸:2027年3月が目標(報道)
「野心的な期日」をどう受け止めるか
記事中では、マスク氏が電気自動車や自動運転技術などで野心的なタイムラインを掲げ、予定通りに実現しなかった例が繰り返されてきたとも触れられています。今回の月・火星の計画も、発言の勢いだけでなく、今後の技術的進捗や資金面の説明、節目ごとの達成状況が注目点になりそうです。
「火星も始めるが、最優先は文明の未来を確保すること。月のほうが早い」——マスク氏(Xへの投稿内容より)
月を“最短距離の優先課題”と位置づけるのか、それとも火星への途中段階として再定義するのか。SpaceXの次の一手は、目標そのもの以上に「優先順位の言葉づかい」で、すでに市場と世論の読み合いを始めています。
Reference(s):
Musk: SpaceX prioritizing lunar 'self-growing city' over Mars project
cgtn.com








