イラン「ミサイルは譲れぬ一線」 米国との次回核協議は日程調整中
イランは2026年2月11日、ミサイル能力は「レッドライン(譲れない一線)」で交渉の対象外だと改めて強調しました。同時に、米国との間接的な核協議については、次回開催に向けて日程調整が進んでいるとしています。緊張と対話が同時に走る構図が、いまの中東情勢を映しています。
「ミサイル能力は非交渉」シャムハニ氏が強調
最高指導者ハメネイ師の上級顧問アリ・シャムハニ氏は2月11日、イランのミサイル能力は「非交渉の問題」だと述べました。イランのヌール通信が伝えています。
また、軍事攻撃がたとえ限定的であっても「戦争の始まり」と見なすとし、その影響は軍事面にとどまらず、世界の人々の生活にも及び得るという趣旨の警告を発しました。首都テヘランで開かれた1979年のイスラム革命から47周年の記念行事の場で、米国に対し「脅しではなく対話の道を真剣に追うのが合理的だ」とも語ったとされています。
国防評議会の事務局長に就任、背景に「体制的な防衛計画」
イラン半公式のファルス通信は先週、シャムハニ氏が国防評議会の事務局長に任命されたと報じました。国防評議会は2025年8月に設立され、国防計画や軍の能力向上を集中的に検討する枠組みだとされています。
対話を模索する一方で、防衛面の意思決定を制度的に固める動きが並行している点は、交渉局面を読むうえでの重要な手がかりになりそうです。
核協議の論点:濃縮度・備蓄量は「権利の尊重」が条件
ヌール通信は同日、外務省報道官エスマイル・バガエイ氏の発言として、イランがウラン濃縮の水準や備蓄量について議論する用意がある一方、核拡散防止条約(NPT)上の権利が「真に尊重される」ことが条件だと伝えました。
NPTは核兵器の拡散を防ぐ国際枠組みで、加盟国には原子力の平和利用の権利が認められる一方、核兵器の開発・取得は認められません。イラン側はこの「平和利用の権利」を強く意識した立場を示しています。
次回の米イラン間接協議は「日程を協議中」
イランの最高国家安全保障会議(SNSC)事務局長アリ・ラリジャニ氏は2月11日、国営アルアーラムに対し、テヘランとワシントンの間接的な核協議の次回日程を決めるための協議(コンサルテーション)が進んでいると述べました。米国側は解決に向けて交渉を進める意思があるように見えるものの、現時点で「完全な判断はできない」とし、日程は協議を経て発表されるとしています。
ラリジャニ氏は2月10日、仲介役のオマーンを訪問したとも報じられています。同日、米国はイスラエルが「示威的な姿勢(ポスチャリング)」によって核交渉の枠組みを左右することがないようにすべきだ、という趣旨の警告も発したとされています。
アラグチ外相「2015年合意より良い合意は可能」
同じく2月11日、セイエド・アッバス・アラグチ外相はロシア・トゥデイの取材で、イランと米国は2015年7月に署名された核合意(JCPOA)より良い合意を結べるとの見方を示しました。自身が過去20年にわたり核交渉に携わってきた経験を踏まえ、「達成可能だ」と述べたとされています。
イラン側は「核兵器を持たないことを保証」しつつ、「核技術の平和利用の権利」を守るための、実行可能な計画・提案を準備しているとも説明しました。一方で、過去の外交経緯から米国を全面的には信頼しておらず、同じ事態が繰り返されない担保が必要だとしています。
今回のニュースの要点(読みどころ)
- イランはミサイル計画と地域同盟を「交渉しない」と明確化
- 核分野では、濃縮度・備蓄量の議論に含みを残すが条件付き
- 次回の間接協議は日程調整中で、仲介国オマーンの役割が続く
- 「攻撃は戦争開始」との強い言葉と、「より良い合意は可能」という交渉姿勢が併存
強硬な安全保障メッセージと、核分野に限定した交渉の窓口。その二つを同時に出すことで、イランは抑止と交渉の両面から主導権を探っているようにも見えます。次回協議の日程が公表されるかどうかが、当面の焦点になりそうです。
Reference(s):
Iran: missile capability a red line, next talks with U.S. pending
cgtn.com








