APEC「中国年」始動、広州会合で共有繁栄へ 11月深圳のLeaders’ Meetingが焦点
2026年のAPECは「中国年」として動き出しました。2月1日〜10日に広州で開かれたAPEC高級事務レベル会合(SOM)が、11月の深圳でのAPEC Leaders’ Meeting(首脳会議)に向けた議論の土台をつくった形です。
広州でSOM初会合、1,400人超が参加
中国本土が正式にAPEC「中国年」を立ち上げ、南部沿岸の広州市で最初のSOMを開催しました。加盟エコノミーから1,400人以上の代表団が集まり、今年の協力の方向性を確認したとされています。
今年のテーマ:「共に繁栄するアジア太平洋共同体」
中国本土が掲げた全体テーマは「共に繁栄するアジア太平洋共同体の構築(Building an Asia-Pacific Community To Prosper Together)」。昨年12月の非公式な高級事務レベル会合で、APECメンバーの賛同を得たとされています。
中国本土の馬朝旭・外交部副部長は、このテーマが「人類運命共同体」というビジョンに沿い、APECの設立目的や長期的な志向を反映すると述べました。マレーシア科学アカデミーのハザミ・ハビブCEOも、既存の行動計画とつながりが強く、協力を深める助けになるとの見方を示しています。
優先分野は「開放・革新・協力」
中国本土は、アジア太平洋が直面する新たな機会と課題への対応として、次の3本柱を優先分野に据えました。
- 開放(Openness):貿易・投資の自由化を進め、保護主義に反対しながら、開かれた経済をめざす
- 革新(Innovation):イノベーション主導の成長や「新たな質の生産力」の発展を重視
- 協力(Cooperation):各メンバーの比較優位を生かし、政策調整や経験共有を通じてウィンウィンを狙う
11月は深圳へ:年間約300イベント、全国で閣僚級会合も
「中国年」の山場は、11月に深圳で開かれるAPEC Economic Leaders’ Week(首脳週間)です。APEC CEO Summit(CEOサミット)や外相・貿易相の合同閣僚会合などが予定され、11月18〜19日にAPEC Leaders’ Meetingが行われる見通しです。
年間の関連イベントは約300。SOMは5月に上海、8月に大連でも開催予定とされています。さらに5月〜10月にかけて、エネルギー、交通、デジタル経済、食料安全保障、人材、貿易、金融、観光、中小企業、女性分野などをテーマにした閣僚級会合が全国で約10回予定されています。
議論の焦点:FTAAP、連結性、デジタル・グリーン転換
初回SOMで中国本土が示した「今年の仕事」は、複数のレイヤーにまたがります。具体的には、アジア太平洋協力を再活性化し、首脳向けの将来志向の成果文書をまとめることに加え、次の論点が挙げられました。
- アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に向けた道筋の探求
- 域内の連結性(コネクティビティ)構想のアップグレード
- イノベーションを通じたデジタル化・スマート化・グリーン転換の加速
- 多様なメンバー構成を踏まえた、包摂的で分野横断の協力深化
2026年SOM議長の陳旭氏によれば、食料安全保障、エネルギー、科学技術、反腐敗、人的交流、保健、税関など、幅広い分野で具体的な協力提案が出たとされています。
中国本土とAPEC:2026年は「3度目のホスト」
中国本土は1991年にAPECに参加し、実務協力や開かれたアジア太平洋経済の促進に関与してきたとされます。過去には2001年に上海、2014年に北京でAPECをホストし、2026年の深圳開催で3回目のホストとなります。
今年は中国本土の第15次五カ年計画期の「開始年」とも重なります。域内の成長モデルが揺れやすい時期に、貿易・投資、デジタル、グリーン、人的交流といった“摩擦が出やすい論点”を、どこまで共通の言葉に落とし込めるか。広州会合は、その助走になったと言えそうです。
Reference(s):
China kicks off APEC 'China Year' with focus on shared prosperity
cgtn.com








