トランプ氏、ネタニヤフ氏に「米イラン交渉を継続」 合意不調なら軍事増強も視野
米国のドナルド・トランプ大統領は現地時間2026年2月11日、ホワイトハウスでイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と非公開会談を行い、イランとの交渉を当面続けて合意の可能性を探る考えを伝えました。外交を優先する姿勢を示す一方で、交渉が決裂した場合に備え、中東での軍事プレゼンスを拡大する検討も並行して進んでいるとされています。
ホワイトハウス会談で確認された「継続」と「備え」
トランプ大統領は会談後、自身のSNSで「イランとの交渉を継続し、合意が成立し得るかを見極めるよう強く求めた」と説明しました。合意が成立するならそれが望ましい一方、成立しない場合は「結果を見ていくしかない」という趣旨の発言もあり、交渉継続と不測事態への備えが同時進行している構図が浮かびます。
今回の会談は、トランプ氏の第2期政権発足後で両首脳にとって7回目とされ、約3時間に及んだと報じられています。
イスラエル側が求める「条件」:ミサイルと武装組織との関係
ネタニヤフ首相の事務所によると、イスラエル側は合意に以下を盛り込むことを重視しているとされています。
- イランの弾道ミサイル計画への制限
- ハマスやヒズボラなど武装組織との関係の遮断
さらに、たとえ合意が成立した場合でも、イスラエルとしてはイラン周辺での「行動の自由」を確保したい意向があるとも伝えられています。合意の中身と、合意後の運用(抑止と介入の余地)を切り分けて考えている点がポイントです。
米国の交渉姿勢:「良い取引」か、それとも共同行動の準備か
トランプ大統領は2月10日の米メディア出演で、合意は「良い取引」でなければならないと述べ、「核兵器なし、ミサイルなし」との趣旨の発言をしています。一方で、協議内容を知る米国・イスラエル当局者の間では、テヘランと合意に到達できる可能性に懐疑的な見方もあるとされています。
議論は外交だけにとどまらず、報道によれば、外交が失敗した場合の「共同軍事行動」の可能性も俎上に載ったとされます。米側当局者は、仮に米国とイスラエルが協調して攻撃を行う場合、どちらか単独より影響が大きくなり得る、という見立ても示したと伝えられています。
空母追加派遣の検討も
軍事面では、交渉が不調に終わる場合に備え、中東に第2の空母打撃群を送る案をトランプ氏が検討していると報じられています。米海軍の空母「USSジョージ・H・W・ブッシュ」が訓練を終えつつあり、スケジュールを前倒しする可能性もある一方、現時点では正式な派遣命令は出ておらず、計画は変更の余地があるとされています。
イランの立場:核は否定、ミサイルは「交渉対象外」
イランは交渉継続には同意しているものの、立場を変える兆候は見えていないとされます。テヘランは核兵器開発を長く否定し、平和的な原子力利用の権利は「奪えない」と主張。また、ミサイル計画は国防の中核であり、交渉に応じない姿勢を繰り返してきました。
イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相は2月11日、ロシア側に対し、米国との合意は2015年の合意(JCPOA)より良いものになり得ると述べつつ、ミサイル計画や地域での連携については交渉しない立場を改めて示したとされています。
同日、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、1979年の革命から47周年の式典で、欧米が作ってきた「不信の壁」が米国との核交渉を妨げていると述べ、過度な要求や威圧には応じない考えを示したと伝えられています。
いま何が焦点か:交渉の「範囲」と「時間」
米国とイランは先週、オマーンの首都マスカットで間接協議を行ったとされます。ここから先の焦点は、次の2点に収れんしていきそうです。
- 交渉の範囲:核問題に絞るのか、ミサイルや地域情勢まで広げるのか
- 時間の圧力:交渉継続を掲げつつ、軍事オプションの準備が同時に進むことで、判断が早まる局面が来るのか
外交の言葉と軍事の準備が同時に動くとき、偶発的な衝突リスクは小さくありません。今後は、追加の空母派遣に関する正式命令の有無、協議再開の具体的日程、そして合意条件(特にミサイルと地域関与)をめぐるすり合わせが、国際ニュースとしての重要な観測点になりそうです。
Reference(s):
Trump tells Netanyahu he wants to continue negotiations with Iran
cgtn.com







