米下院、トランプ氏の対カナダ関税停止決議を可決 219対211
米国の対カナダ関税をめぐり、共和党が多数を占める米下院が現地時間水曜日、関税を終わらせる決議案を可決しました。可決は象徴的な意味合いが強い一方で、物価や貿易をめぐる党内の温度差が可視化された形です。
何が起きた?下院は「関税停止」に賛成
現地報道によると、米下院は219対211で、カナダ製品への懲罰的な関税を終わらせる決議案を承認しました。民主党のグレゴリー・ミークス下院議員が提出したもので、共和党議員6人がほぼ全ての民主党議員側に加わったとされています。
可決しても「すぐ止まる」とは限らない理由
今回の決議は、この後に上院の承認が必要で、さらにトランプ大統領の署名(または拒否権行使)という関門があります。現地報道は、トランプ氏が拒否権を行使する可能性が高いと伝えており、現時点(2026年2月)では政策転換に直結するとは言い切れません。
それでも注目されるポイント
- 共和党からの造反が出た(6人が賛成側へ)
- 生活コスト(物価)を争点化する発言が前面に出た
- 関税の正当性をめぐり、立法府・司法・行政府の綱引きが続いている
トランプ氏は「反対票なら選挙で重大な結果」と牽制
下院の投票過程で、トランプ氏は自身のSNS上で、関税に反対する共和党議員に「選挙で重大な結果を被る」と趣旨の警告を発信しました。さらに、関税は「経済と国家安全保障をもたらした」とし、共和党がそれを壊すべきではないとも主張しています。
一方、決議案を提出したミークス氏は、関税を支持するかどうかが「米国の家計負担を下げるのか、それとも特定の個人への忠誠心で価格を高止まりさせるのか」という選択になっている、という趣旨の見方を示したと報じられています。
「国家非常事態」を根拠にした関税、その理屈
報道によれば、関税は「国家非常事態」を口実に、2025年に導入されました。トランプ政権は、カナダからの違法薬物の流入が米国にとって「異常かつ重大な脅威」だと主張し、これを根拠に関税を課しているとされています。
また、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の枠内で優遇関税の対象にならない品目に対して関税を上乗せできる、という構図が示されています。
議会内の攻防:下院議長は「最高裁判断を待つべき」と主張も
マイク・ジョンソン下院議長は投票前、関税の適法性をめぐる最高裁の判断を待つよう促し、採決を止めようとしたものの、結果的に阻止できなかったと伝えられています。
次の焦点:USMCA離脱検討報道も、貿易ルールは揺れやすい局面へ
同日、ブルームバーグは「トランプ氏が北米の貿易協定(USMCA)からの離脱を検討している」と、関係者の話として報じました。USMCAは、トランプ氏が第1次政権期に交渉した枠組みでもあります。
関税の停止が実現するかどうかとは別に、①関税の法的根拠、②議会と大統領の力関係、③USMCAの将来像——この3点が同時に動きうる状況が続きそうです。
Reference(s):
cgtn.com








