トランプ氏、イラン核協議に「1カ月」期限 イスラエルは慎重姿勢
米国のトランプ大統領が2026年2月12日、イランとの核問題をめぐる交渉について「今後1カ月で合意できることを望む」と述べ、決裂した場合は「非常に痛ましい」結果になり得ると警告しました。中東での米軍プレゼンス拡大と、イスラエル側の強い警戒感が同時に進む局面です。
「1カ月で合意を」—トランプ氏が示した時間軸
トランプ氏は記者団に対し、米国とイランが「次の1カ月」で合意できることに期待を示しました。その一方で、交渉が失敗した場合について「非常に痛ましい(very traumatic)」事態になり得ると述べ、合意の必要性を強調しました。
また、合意できない場合は「フェーズ2に行かなければならない。フェーズ2は彼らにとって非常に厳しいものになる」とも語り、次の段階に言及しています。
軍事的圧力も並行:中東での米軍展開が拡大
発言の背景には、米国が中東地域で軍事的プレッシャーを維持・強化している状況があります。報道によれば、米国は空母USSエイブラハム・リンカーンを含む複数の海軍アセットを展開し、国防総省が第2の空母打撃群に展開準備を指示したとも伝えられています。
トランプ氏は、2025年7月に起きた「イスラエルとイランの12日間の戦争」の最中、米国がテヘランの核関連施設に対して軍事攻撃を行ったことにも触れました。今回の交渉は、その記憶が生々しいまま進んでいることになります。
オマーンで「間接協議」—継続に前向きも緊張は残る
米国とイランは2026年2月6日、オマーンで核問題をめぐる間接協議を行いました。協議後、双方は対話継続に前向きな姿勢をにじませた一方、軍事的対立の可能性への懸念は払拭されていないとされています。
イラン側では、最高国家安全保障評議会のアリ・ラリジャニ事務局長(最高指導者アリ・ハメネイ氏の上級顧問)が2月12日、「イランは米国へ直接のメッセージを伝えていない」と説明しました。ラリジャニ氏によると、オマーン当局者が米国側の一定の点をテヘランに伝達し、評価を行っているということです。
さらに、イランと米国の双方が交渉継続を望んでいるとしつつも、結果につながる協議にするには「双方で内部協議が必要だ」と強調しました。
イスラエルの「一般的な懐疑」—求める条件は
イスラエルのネタニヤフ首相も2月12日、トランプ氏が軍事行動を回避できる合意に向けた条件を整えようとしていることに期待を示しました。一方で、ネタニヤフ氏は自身が「一般的な懐疑(general skepticism)」を伝えたと述べ、合意に至る場合でも「イスラエルにとって不可欠な要素」を含む必要があると主張しています。
ネタニヤフ氏が挙げた要素は、主に次の論点です。
- イランの核開発計画の停止
- 弾道ミサイルに関する制限
- イランの「代理勢力(proxies)」への対応
イスラエルメディアの報道では、合意の条件として「核兵器を取得できないことの確実化」「ウラン濃縮の完全放棄」「弾道ミサイル計画の抑制」「レバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派など地域勢力への支援停止」などを求める見方が紹介されています。
今回の焦点:交渉の継続と、圧力のエスカレーション回避
現時点で見えているポイントは大きく2つです。
- 交渉は続く可能性がある:米国・イラン双方が対話継続に含みを残し、オマーンが伝達役として機能しています。
- 同時に圧力も強まっている:米軍展開の拡大、そしてトランプ氏の「1カ月」発言が、交渉の時間的制約を強く印象づけました。
「合意を急ぐ政治的メッセージ」と「軍事的緊張の管理」が同じテーブルに載っているのが、いまの中東情勢の難しさと言えそうです。
Reference(s):
Trump sets one-month window for Iran deal as Israel voices skepticism
cgtn.com








