トランプ氏、ミネソタのICE「急増作戦」終了へ 撤収進むも地元は警戒
米国のドナルド・トランプ大統領が、ミネソタ州で続いてきた移民取締りの「急増(サージ)」を終了することで合意しました。ホワイトハウスのいわゆる「国境担当」トム・ホーマン氏が今週木曜日(2026年2月12日)に発表し、連邦の移民当局者が今後1週間ほどで元の配置に戻る見通しです。一方、地元当局は「本当に終わるのか」を含め、慎重な姿勢を崩していません。
何が発表されたのか:今後1週間で“大幅撤収”の見通し
ホーマン氏は「Operation Metro Surge(メトロ急増作戦)」を終える方針を示し、州外から投入された移民当局者の多くが、今後1週間で帰任すると述べました。ホーマン氏は必要なら再投入もあり得るとしつつ、木曜夜のテレビ番組でも「大規模な強制送還は続く」との考えを示しています。
Operation Metro Surgeとは:3,000人規模の投入
報道によると、この作戦はトランプ氏がミネソタ州で進めた移民取締り強化策で、1月下旬までに約3,000人の武装した移民取締り要員が投入されました。トランプ氏はこれを「米史上最大の強制送還作戦」だと位置づけてきました。
一方、作戦開始前にミネソタ州で活動していた移民取締り要員は約150人だったとされています。規模の急拡大が、州内の緊張を一気に高めた形です。
数字で見る(報道ベース)
- 投入規模:最大約3,000人(1月下旬まで)
- 作戦開始前の州内要員:約150人
- 撤収の動き:先週、約700人の撤収が先行して発表/今後1週間で追加撤収の見込み
抗議が広がった背景:銃撃死亡事件と「軍事的装備」への反発
ミネソタ州では、州知事ティム・ウォルズ氏(民主党)らが作戦に反対し、州内の主要都市では数千人規模になることもある抗議行動が続いたとされています。
特に反発が強まったのは、移民取締り要員の展開中に、米国市民2人が致命的な銃撃を受けたと報じられたことでした。
- 1月7日:37歳のレニー・ニコル・グッドさんが、ICE要員により頭部を銃撃され死亡
- 1月24日:ミネアポリスの退役軍人病院で働く看護師アレックス・プレッティさんが、複数の連邦要員に押さえつけられた後に銃撃され死亡
これらの出来事を受け、作戦はトランプ政権の移民政策の中でも、特に抗議の大きい決定の一つになったと伝えられています。
「撤退」に見える一方で、政策自体は継続の構図
ホーマン氏の発言は、移民取締りで強硬姿勢を取ってきたトランプ政権にとって「珍しい後退」とも受け止められています。ただし、作戦の終了は、取締りの方針転換というより、投入体制の見直しに近い位置づけです。
実際、ホーマン氏は「必要なら戻る」とし、トランプ氏も作戦を「公共の安全のため」と説明してきました。トランプ氏は多くの移民を、広い括りで「暴力的犯罪者」や「詐欺師」などと表現してきたとされます。
これに対してウォルズ氏や州内の住民は、連邦要員の展開が「公共の安全を損ない、移民だけでなく米国人の憲法上の権利も侵害した」と反論してきました。今回の“終結”は、両者の主張の溝が埋まったことを意味するわけではなさそうです。
地元当局の反応:「慎重な楽観」と「疑念」
地元の受け止めは割れています。
- ヘネピン郡の検事(アティーニー)メアリー・モリアーティ氏:「作戦が終わるという“主張”を、いくらか懐疑的に受け止めている」
- ウォルズ知事:「慎重ながら楽観している」一方で、「深い傷、世代をまたぐトラウマ、場合によっては経済的破綻を残した」と述べた
ウォルズ氏は「回復への長い道が今始まる」と述べ、経済や学校、生活への影響は一夜にして戻らないとの見方を示しました。
いま注目されるポイント:撤収の実態と、再投入の条件
今後の焦点は、「今週から来週にかけて」進むとされる撤収が、実際にどの規模で実施されるのか、そしてホーマン氏が示唆した“必要なら再投入”の判断基準が何なのか、という点です。ホーマン氏は、ミネソタの法執行機関との「前例のない連携」を理由の一つに挙げていますが、具体的な人数の説明はしていないとされています。
大規模な現場展開が社会の不安や抗議を呼び、撤収が「緊張を下げる一手」になる可能性がある一方で、取締り方針は継続する構図です。作戦の“終了”が何を変え、何を変えないのか――静かな検証が続きそうです。
Reference(s):
Trump to end ICE surge in Minnesota, local officials remain cautious
cgtn.com







