SpaceXがCrew-12打ち上げ成功、4人がISSへ—8か月の科学ミッション
2026年2月13日早朝(米東部時間)、SpaceXのロケットが4人のクルーを乗せて打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)へ向かいました。ISS運用を2030年末まで続ける方針の中、微小重力を活用した医療・農業などの研究が、また一つ動き出します。
何が起きた?SpaceXのFalcon 9でクルー4人が出発
打ち上げはフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から実施されました。2段式のFalcon 9の先端には、SpaceXの有人宇宙船「Crew Dragon」カプセル(愛称は「Freedom」)が搭載され、NASA宇宙飛行士2人、フランス人宇宙飛行士1人、ロシア人宇宙飛行士(コスモノート)1人が乗り込みました。
「かなりのライドだった」—9分後には軌道投入へ
飛行開始から約9分後、上段ロケットは時速約17,000マイル(約27,360km)を超える速度に達し、Crew Dragonを軌道へ投入しました。その頃までに再使用型の第1段ブースターは自律飛行で地上に戻り、ケープカナベラルの着陸地点へ安全に着陸したとされています。
ISS到着は「土曜午後」予定、34時間のフライト
クルーは約34時間の飛行を経て、地上約250マイル(約420km)上空を周回するISSに到着し、土曜日の午後にドッキングする予定です。ISSへの到着は、実験機材や体調管理の準備が本格化する合図でもあります。
Crew-12のメンバーは?指揮官はジェシカ・メイア氏
今回のミッション(Crew-12)は、指揮官のジェシカ・メイア氏(48)が率います。海洋生物学者でもあるベテラン宇宙飛行士で、ISSへの飛行は2回目です。約7年前には、NASAの同僚クリスティーナ・コッホ氏とともに「史上初の女性だけの宇宙遊泳」を実施し、節目となる出来事として記憶されています。
メイア氏は地上管制に対し、打ち上げ直後に「Thank you team, that was quite a ride(チームのみなさん、かなりのライドでした)」と無線で伝え、「Crew-12は感謝し、これからの旅に備えています。向かっています」と続けました。
ほかの搭乗者は次の3人です。
- ジャック・ハサウェイ氏(43):元米海軍の戦闘機パイロットで、宇宙飛行士としては初飛行
- ソフィー・アドノ氏(43):欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士。フランス出身でヘリコプター操縦の専門家
- アンドレイ・フェジャエフ氏:ロシアのコスモノート。元軍用パイロットでISSミッションは2回目
ISSで何をする?医療と食料生産に関わる研究も
NASAによると、到着後は微小重力環境を生かした科学・医療・技術研究に取り組みます。具体例として、肺炎を引き起こす細菌の研究(地上での治療改善につなげる狙い)や、植物と窒素固定を行う微生物の相互作用に関する実験(宇宙での食料生産の高度化を見据えた取り組み)が挙げられています。
ISS側は3人が出迎え、1月には医療搬送も
ISSでは、NASA宇宙飛行士のクリス・ウィリアムズ氏と、ロスコスモスのセルゲイ・クド=スヴェルチコフ氏、セルゲイ・ミカエフ氏の計3人がCrew-12を迎える予定です。
一方で、Crew-11のメンバー4人は、Crew-12到着まで滞在する見込みだったものの、1人に深刻な健康問題が生じたため、1月中旬に前例のない医療避難飛行で帰還し、予定より数週間早くISSを離れたとされています(健康状態の詳細は非公表)。有人宇宙飛行は最先端技術の集合体である一方、最終的に「人の体」が中心にあることも改めて浮かび上がります。
2030年末までの運用方針の中で、積み重なる“日常”
NASAはISSを2030年末まで運用する方針を示しています。今回のCrew-12は、2020年5月にSpaceX機で米国の宇宙飛行士輸送が再開されて以来、NASAがSpaceXの打ち上げ機を用いて実施した「12回目の長期滞在チーム」と位置づけられます。打ち上げと交代が繰り返されるほど、宇宙での研究が“特別なニュース”から“継続するインフラ”へ近づいていることが伝わってきます。
Reference(s):
cgtn.com








