トランプ政権、ハーバードを提訴 入学選考の人種考慮資料の提出求める
トランプ政権がハーバード大学を提訴しました。焦点は「入学選考で人種を考慮していないか」を確認するための資料提出で、政権と名門大学の対立が法廷に持ち込まれた形です。
何が起きた?(2026年2月13日・現地時間)
米司法省は2月13日(現地時間の金曜日)、ハーバード大学が連邦当局の調査に十分協力していないとして、ボストンの連邦裁判所に訴えを起こしました。司法省は、調査に必要なデータや文書の提出が遅い、あるいは提出を拒んでいると主張しています。
争点は「人種を考慮した入学選考」資料の提出
訴状などによると、政権側が求めているのは主に次のような文書です。
- 入学選考(アドミッション)に関する方針・運用資料
- 入学選考で人種の考慮があったかを検証できるデータ
- 多様性・公平性・包摂(DEI)に関連するプログラムのやり取り(通信記録など)
司法省は、この提出命令を求める訴訟は「人種の考慮の有無に関する資料提出を確保するため」で、ハーバードに差別的行為があったと断定しているわけではなく、金銭賠償も求めないとしています。また、訴訟自体は連邦資金の停止を直接目的としないとも説明しています。
背景:2023年の連邦最高裁判決と大学側の対応
今回の文書提出要求は、2023年に米連邦最高裁が「人種を意識した大学入学選考は違憲」と判断した流れと結びついています。司法省は、求める資料が「判決後の順守状況」を評価する上で必要だとしています。
ハーバード側の反論:「報復的で、権利侵害だ」
ハーバードの広報担当者は、法令順守の姿勢を示したうえで、当局の照会にも誠実に対応してきたと述べました。その一方で、今回の一連の動きについては、大学の独立性や憲法上の権利を手放さなかったことへの「報復的行動」だとして、争う姿勢を明確にしています。
資金停止の圧力、和解金要求…強まる政治と大学の摩擦
今回の提訴は、トランプ大統領がハーバードに対し、調査に関する和解として10億ドルを求めていると述べたとされる動きから、2週間に満たない時期に起きました。報道では、同大統領が「支払い要求を取り下げた」とも伝えられており、政権側の姿勢をめぐる情報が交錯しています。
また政権は、ハーバードを含む複数の大学に対し、親パレスチナの抗議活動、キャンパスの多様性施策、トランスジェンダー政策などをめぐって、連邦資金の停止を示唆してきた経緯があります。
さらに、昨年(2025年)には、キャンパス内でのユダヤ系学生への嫌がらせ対応が不十分だとして、ハーバード研究者への多数の助成を取り消そうとし、これを受けてハーバード側が提訴したともされています。資金凍結をめぐる動きは法的な抵抗にも直面しており、両者はこれまで合意に至っていない状況です。
今後の見どころ:争いは「提出範囲」と「権限の線引き」へ
この訴訟が進むと、焦点は次第に次の論点に移りそうです。
- どこまでの資料提出が「適切な調査協力」か(提出範囲・形式・期限)
- 大学の自律性・憲法上の権利と、行政の調査権限の境界
- 最高裁判決(2023年)後の入学選考の実務が、どのように評価されるか
名門大学の入学選考、連邦政府の監督、そして政治的争点が重なるこの問題は、教育政策だけでなく「公的資金と公共性」をどう捉えるかという問いも含んで、長期戦になる可能性があります。
Reference(s):
cgtn.com








