AU委員長、パレスチナ人の「絶滅」停止を訴え 第39回首脳会議で
アフリカ連合(AU)の第39回首脳会議が始まった2026年2月14日、AU委員会のマフムード・アリ・ユスフ委員長は開会の場で、パレスチナの人々について「『絶滅』は終わらなければならない」と述べ、ガザをめぐる状況に強い懸念を示しました。中東情勢が長期化するなか、アフリカの地域機構がどの言葉で危機を捉え、国際社会に何を求めるのかが注目されています。
「良心への問いかけ」——AU委員長が言及したポイント
ユスフ委員長(1年前に選出)は、開会演説で次のように述べたとされています。
- 「中東では、パレスチナとその人々の苦しみが、私たちの良心にも問いを投げかけている」
- 「この人々の『絶滅』は止めなければならない」
ここで使われた「extermination(絶滅)」という表現は、発言者の強い危機認識を示す一方、外交の文脈では言葉の重さがそのまま政治的メッセージになります。各国が「人道」「停戦」「包囲の緩和」など、どの表現で合意を作ろうとするのかも焦点です。
ガザをめぐる状況:包囲と大きな人的被害
ガザは、イスラエルとエジプト、地中海に囲まれた小さな地域で、2023年10月7日のハマスによる攻撃(AFPの集計ではイスラエル側の死者1,221人、主に民間人)をきっかけに戦争が始まりました。以降、ガザは厳しい包囲下に置かれているとされます。
また、ガザの保健当局は、イスラエルの報復作戦により少なくとも71,667人のパレスチナ人が死亡したとしています。数字の出どころ(集計主体)が明示されるのは、国際ニュースとして読むうえで重要な点です。
アフリカの議題は中東だけではない——各地の紛争にも言及
ユスフ委員長は演説で、アフリカ域内の複数の紛争にも触れました。発言では、スーダン、サヘル地域、コンゴ民主共和国東部、ソマリアなどが挙げられ、「不安定の重い代償を人々が払い続けている」と述べたとされています。
AU首脳会議は中東情勢への発言が注目を集めがちですが、実際には域内の安全保障・人道危機の対応も同時に進むため、声明の優先順位や言い回しには各国の事情がにじみます。
今後の見どころ:首脳会議の「言葉」が何を動かすか
今回の会議はAUの55加盟国の首脳が集まり、2日間の日程で2026年2月15日に閉幕します。注目点は大きく3つです。
- 首脳会議の最終コミュニケ(声明):ガザの状況をどう表現し、何を求めるのか
- 人道アクセスへの具体的な言及:包囲下での物資搬入や医療支援など、実務的論点が入るか
- アフリカ域内紛争との並走:中東への発信が、域内課題とどう両立するか
外交は、ときに「何を言ったか」だけでなく「どの言葉を選んだか」で、その後の対話の扉が開いたり閉じたりします。今回のAUの発信は、国際社会の議論の温度と方向を映す一つの材料になりそうです。
Reference(s):
'Extermination' of Palestinians must stop: African Union chair
cgtn.com








