グテーレス氏「アフリカは困難下でも着実に前進」AU首脳会議で
2026年2月、アディスアベバで開かれた第39回アフリカ連合(AU)首脳会議の関連行事で、アントニオ・グテーレス国連事務総長が、アフリカが世界でも「最も厳しい課題」のいくつかに直面しながらも、粘り強く前進しているとの見方を示しました。国際環境が分断と不確実性を増すなかで、何が起きているのかを整理します。
「奇跡ではなく、現実問題を解くための実務」
グテーレス氏は記者団に対し、冷戦終結以降で最も「分断され、予測不能で、不安定」な国際環境の中で必要なのは、奇跡ではなく、現実の問題を一つひとつ解いていく着実な取り組みだと強調しました。
進展は「不均一で、遅いこともある」—それでも進んでいる
同氏によれば、アフリカでは地域統合の取り組みから、クリーンエネルギーやインフラへの投資まで、前進が見られるといいます。進み方は「不均一」で「ゆっくり」な場面もあるものの、「確かに起きている」と述べました。
国連とAUの連携:和平・金融の公正・気候の3本柱
グテーレス氏は、国連とAUのパートナーシップが、次の分野で拡大している点を挙げました。
- 平和と安全保障(紛争対応や安定化)
- 金融の公正(financial justice)(不利な条件の是正)
- 気候行動(適応とエネルギー移行)
続く危機:スーダン、コンゴ民主共和国、サヘル、アフリカの角
一方で、危機が同時進行している現実も語られました。グテーレス氏は、スーダン、コンゴ民主共和国、サヘル、アフリカの角での状況に触れ、複数の当事者が絡む複雑な紛争だと説明しています。
成長と制約が同居する経済:債務と高い借入コスト
アフリカには世界で最も成長の速い経済がある一方、多くの国が厳しい財政制約のもとに置かれているとも指摘しました。債務負担や高い借入コストが、教育・医療・雇用といった分野への投資を難しくしているという見立てです。
「根本的に不公正な国際金融システム」への問題提起
グテーレス氏は、植民地主義の歴史的遺産があるにもかかわらず、アフリカが「根本的に不公正な」グローバル金融システムに直面していることは深刻に不当だと述べました。あわせて、途上国が国際金融機関でより強い発言権を持つ必要があると訴えています。
気候変動:排出への寄与は小さいのに「最も高い代償」
気候面では、アフリカは気候変動への寄与が小さいにもかかわらず、干ばつ、洪水、飢餓、命に関わる熱波といった形で最も高い代償を払っていると指摘しました。それにもかかわらず、適応(被害を減らす備え)やクリーンエネルギーへの移行に必要な支援が十分ではない、という問題意識を示しています。
今回の発言が示す“3つの焦点”
グテーレス氏の発言を貫くキーワードは、次の3つに集約されます。
- 実務:「奇跡」ではなく、地道な問題解決の積み上げ
- 公正:債務・金利・制度面での不均衡をどう是正するか
- 連携:国連とAUの協力を、和平・金融・気候でどう具体化するか
前進と危機が同時に見える局面だからこそ、短期のニュース(衝突や災害)だけでなく、制度や資金の流れといった“見えにくい土台”が、次の数年の安定を左右しそうです。
Reference(s):
Guterres: Africa makes steady progress amidst tough challenges
cgtn.com








