キンシャサ中心部の“最後のバオバブ”を守れ:活動家が保存を訴え video poster
2026年2月、コンゴ民主共和国(DRC)の首都キンシャサで、街の中心部に残る樹齢100年級とされるバオバブの木を守ろうとする市民・環境活動家の動きが注目されています。都市開発が進むなかで「一本の木」をどう扱うかが、歴史と暮らしの選択として問われています。
何が起きているのか:建設計画で伐採の危機、いったん“保留”に
問題のバオバブは、キンシャサのゴンベ地区にある歴史的な市街地の中心部に立つ木です。報道によると、新しい建物の建設に伴い伐採される可能性があったものの、活動家らが政府に介入を求める請願( petition )を行ったことで、建設プロジェクトはいったん停止状態になりました。
建設の一時停止は、現場で働く人々にとっては収入面の不安もはらみます。一方で、木が“今すぐ失われる”事態はひとまず回避され、議論の時間が生まれた形です。
中心人物ジャン・マンガリビ氏「議論の場としてのバオバブ」
自然愛好家で庭師でもあるジャン・マンガリビ氏は、仲間とともにバオバブ保護の動きを広げてきました。マンガリビ氏は、アイデアを政治家と共有するためのプラットフォーム『About the Baobab』を立ち上げたとされます。
同氏は「かつて私たちの国はアフリカの“緑の経済”だった。これからのコンゴを良くする話をするのに、バオバブの木の下ほどふさわしい場所はない」といった趣旨を語り、請願提出後も「できることはすべてやる」と保護の継続を示しています。
土地取引への疑念:国有企業から民間開発へ、説明はこれから
活動家側は、DRCの国有運輸会社の関係者が土地を民間デベロッパーに違法に売却した可能性があると主張しています。政府はこの आरोप(主張)に公の形で反応していないとされ、現時点では「誰がどの権限で、どの条件で土地を動かしたのか」という核心部分が見えにくい状況です。
都市開発では、手続きの透明性が確保されないと、計画の正当性だけでなく、行政への信頼そのものが揺らぎます。今回の争点は、伐採の是非にとどまらず、意思決定のプロセスにも及んでいます。
なぜこの木が象徴になるのか:中心部に一本だけ残った“記憶”
キンシャサ郊外にはバオバブが残っている一方、この木は歴史的な中心市街地に残る唯一のバオバブだと伝えられています。地元では、過去の指導者たちが会合の場として使ったことがあるとも語られ、単なる景観ではなく「街の記憶」としての意味合いが重なっています。
一本の古木は、日陰をつくり、風景をつくり、人の集まる“余白”をつくります。近代的な建物が増えるほど、その余白の価値がくっきり見えてくるのかもしれません。
これからの焦点:保存か開発か、二者択一にしないために
今後の焦点は、大きく分けて次の3点です。
- 法的な保護:保護樹木や文化・自然遺産として位置づけられるのか
- 計画の再設計:伐採回避を前提に、建設計画を調整できるのか
- 説明責任:土地の移転・取引の経緯が、納得できる形で示されるのか
開発は雇用や機能をもたらしますが、失われた自然や歴史的な場所性は簡単に取り戻せません。キンシャサのバオバブをめぐる動きは、都市が「速さ」だけでなく「残し方」も選べるのかを静かに問いかけています。
Reference(s):
cgtn.com








