ウガンダで「香り米」国産化へ 輸入頼みから転換、農家収入も後押し video poster
ウガンダで、輸入品に近い香りと食感を持つ国産米の最終評価が進み、輸入依存を減らす一手として注目されています。都市部で米の消費が伸びる一方、店頭では輸入の長粒・香り米が強い存在感を放ってきました。2026年2月現在、研究者は「国産でも選ばれる品質」を目指した新しい品種の実用化に近づいているといいます。
なぜ今、「香り米」を国産化するのか
この10年ほどでウガンダの米需要は拡大し、特に都市部で消費が増えてきました。ところが市場では、香りがあり、炊き上がりがやわらかい長粒米を好む消費者が多く、結果として輸入米が主力になりやすい構図が続いています。
輸入に頼るほど、家計や小売の価格は国際相場や物流の影響を受けやすくなります。研究者側は、国産で品質差を縮められれば、輸入費用の圧縮に加え、国内の生産者の収益機会も広がると見ています。
NAROが開発、狙いは「香り」と「やや粘り」
開発を担うのは、ウガンダの国立農業研究機関NARO(National Agricultural Research Organisation)です。NAROの稲育種家ジミー・ラモ氏は、新品種は東アフリカで広く食べられている人気の香り米に近づけるよう設計したと説明します。
ポイントは、単に香りだけではありません。
- 香り:輸入品の代名詞になっている香り米の体験に寄せる
- 食感:炊いたときに「やや粘り」が出るように調整
- 収量:農家が採算を取りやすいよう、1ヘクタール当たりの生産性も重視
消費者の嗜好に合わせるだけでなく、作る側の「儲かる条件」を同時に満たそうとしている点が、今回の取り組みの特徴です。
研究室から畑へ:最終評価の段階に
この香り米は、NAROが日本の支援を受けながら育種を進めてきたとされています。現在は試験区だけにとどまらず、より実用に近い条件での最終評価が進められており、広い普及に向けた手前の段階にあるといいます。
また近年の育種プログラムでは、畑の生産性だけでなく、収穫後から食卓までの一連の流れ(バリューチェーン)を意識したフィードバックを取り込む方針が示されています。具体的には、農家、精米業者、流通業者、消費者の声を反映し、「売れる米」としての完成度を高める狙いです。
“品質差”の正体は、種だけではない
市場では、輸入米が選ばれやすい理由として「見た目のそろい」「異物の少なさ」「炊き上がりの安定感」が挙げられがちです。米商人のリチャード・ビェクワソ氏は、国産米は精米・選別の機械が十分でなく、石などの混入が起きることがあると話しています。
研究者側も、品質は遺伝的な特性(品種)だけで決まりきらず、次の条件がそろって初めて評価が安定すると認めています。
- 収穫後の乾燥・保管の標準化
- 精米・選別(グレーディング)技術の更新
- 異物混入を減らすインフラ整備
言い換えれば、新品種は「入口」であり、店頭の信頼を得るには「加工と流通の当たり前」を積み上げる必要がある、ということでもあります。
国内需要だけでなく、周辺国市場も視野に
ラモ氏は、米は投資対象としても魅力があり、周辺国にも需要と購買力があると述べています。もし品質基準を満たし、安定供給ができれば、国内の棚を取り戻すだけでなく、域内取引の選択肢にもなり得ます。
新品種が広く栽培されれば、期待される効果は大きく分けて3つです。
- 輸入依存の低下:数百万ドル規模とされる輸入費用の圧縮
- 農家所得の底上げ:収量増と「売れる品質」で採算改善
- 食料安全保障の強化:世界的な価格変動への“緩衝材”に
都市の食卓が求める「香り」と、農村の暮らしを支える「収益性」。その両方を一粒の米でつなげられるかが、最終評価の先にある次の焦点になりそうです。
Reference(s):
Uganda develops aromatic rice varieties to cut imports, boost farmers
cgtn.com








