蘇翊鳴、ミラノ・コルティナで2つ目の金 世界王者に必要なものとは
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで、スノーボードの蘇翊鳴(スー・イーミン)選手が男子スロープスタイルで金メダルを獲得し、オリンピック2冠となりました。今大会の中国代表にとって、最初のメダルと最初の金メダルをもたらした存在としても注目されています。
今大会は「銅→金」…22歳の誕生日に頂点へ
蘇選手は今月(2026年2月)7日、男子ビッグエア決勝で銅メダルを獲得。そこから11日後の2月18日、22歳の誕生日に男子スロープスタイルで表彰台の頂点に立ちました。
これで蘇選手はオリンピック出場2大会で、金2・銀1・銅1。本人はインタビューで、長年思い描いてきたはずの結果にもかかわらず「unreal(現実とは思えない)」感覚があると語っています。
「北京2022の初優勝」から、今度は“背負う側”に
蘇選手が初めてオリンピックの頂点に立ったのは、北京2022の男子ビッグエアでした。今回のミラノ・コルティナ2026での2度目の金は、種目も舞台も異なります。
本人によれば、今大会はイタリアでの戦いのほうが難しかったといいます。理由の一つは、期待と責任の増加です。「中国のスノーボードがこれまで以上に強いことを世界に示す」という責任を、より強く意識していたと述べました。
銅メダルが“圧”をほどく——気持ちの流れ
今大会に向けた心構えは、前回とは違っていた一方で、ビッグエアで銅メダルを取れたことが「多くのプレッシャーを軽くした」と振り返ります。
大舞台で一度結果が出ると、評価の軸が「失敗できない」から「自分の滑りを出す」へ少し移る。トップアスリートの言葉からは、メンタルが成績に与える影響の大きさがにじみます。
スロープスタイル決勝、82.41点がそのまま優勝点に
スロープスタイル決勝では、蘇選手が82.41点で首位に立ち、その得点が最終的に優勝スコアとなりました。本人は、まさか自分の点数が最後まで抜かれない展開になるとは「予想していなかった」とも明かしています。
勝負の世界では、完璧なコントロールだけでなく、採点競技特有の「場の流れ」や「一発の重み」も結果を左右します。想定外の勝ち方だったからこそ、勝因を言語化する姿勢が印象的です。
ケガと2年近い空白…それでも戻ってきた理由
スノーボードにケガはつきものです。蘇選手も例外ではなく、北京2022後に約2年近いブランクを経験しました。その期間は自信を保つのに苦しんだとしつつ、最終的には身体面・精神面の両方で「勝てた」と語っています。
競技復帰は、単に体が戻るだけでは完結しません。恐怖心、成功体験の再構築、周囲の期待との距離感——その調整を経て「より強いチャンピオンとして戻った」という言葉が、今回の金メダルに重なります。
蘇翊鳴が語った「オリンピック王者に必要なもの」
CGTN Sports SceneのGreg Laffradi氏のインタビューで、蘇選手の発言から浮かび上がる要素は、派手な根性論ではなく、積み重ねの設計でした。
- 夢を持ち続けること:長く描いてきた目標でも、達成した瞬間は現実味が薄いほど大きい
- 責任との共存:背負うものが増えるほど、難度は上がる
- 小さな結果で流れを作る:銅メダルがプレッシャーを和らげ、次の勝負につながった
- 空白期間の克服:ケガや不調の時間を、身体と心の両面で乗り越える
大会終盤に入ったいま(2026年2月21日)、メダルの色だけでなく、「どう勝ったか」「どう戻ったか」が次の世代の物語にもなっていきそうです。
Reference(s):
Su Yiming on what it takes to become a two-time Olympic gold medalist
cgtn.com








