ヨルダン、米駐イスラエル大使の「地域全体の権利」発言を非難 国際法めぐり波紋
2026年2月21日、ヨルダン外務省は、米国の駐イスラエル大使マイク・ハッカビー氏が「イスラエルには中東全体(またはその大部分)を主張する権利がある」と述べたとされる発言を「無謀で挑発的」として非難しました。大使の言葉が外交や国際法の枠組みにどう触れるのかが、改めて注目されています。
何があった?発言の概要
ヨルダン外務省によると、ハッカビー氏は米ポッドキャスターのタッカー・カールソン氏のインタビュー(現地時間で2月20日に投稿)で、イスラエルには「聖書に基づく権利(biblical right)」があるといった趣旨の主張をし、「全部取っても構わない」とも語ったとされています。
今回のニュースの要点(短く)
- ヨルダン外務省が、米大使の発言を「無謀で挑発的」と批判
- 外交規範、周辺国の主権、国際法および国連憲章への抵触を指摘
- 米国が公言してきた「占領下ヨルダン川西岸の併合反対」と矛盾すると主張
ヨルダン外務省は何を問題視したのか
ヨルダン外務省報道官のフアド・マジャリ氏は声明で、当該発言は外交上の規範に反し、地域の国家の主権を侵害しうるうえ、国際法と国連憲章にも反すると述べました。さらに、ワシントンが「占領下ヨルダン川西岸の併合を拒否する」としてきた立場とも整合しない、という点を強調しています。
声明はまた、ヨルダン川西岸(東エルサレムを含む)およびガザ地区は、国際法上「占領下のパレスチナ領土」であるとの認識を改めて示し、占領の終結と、国際法と二国家解決に基づく独立したパレスチナ国家の樹立が「公正で包括的な平和への唯一の道」だと位置づけました。
なぜ今、この発言が波紋を広げるのか
大使発言は政策決定そのものではない一方で、同盟国・周辺国に対する「メッセージ」として受け止められやすいのが現実です。とりわけ領土や主権に関わる言い回しは、当事者の安全保障上の不安や、交渉の余地を狭める懸念を招きます。
今回、ヨルダンが強い言葉で反発した背景には、①国際法上の位置づけ、②米国が公に示してきた立場との整合性、③地域の緊張を高めうる象徴的発言への警戒、という3点が重なっているように見えます。
今後の注目点:外交はどこで“整合性”を回復するのか
今後の焦点は、米国側がこの発言をどのように扱うのか(明確化・距離の置き方・沈黙を含む)、そして地域各国が二国家解決や国際法の枠組みをどう言語化していくのかです。言葉の応酬は短期的には注目を集めますが、長期的には「どのルールを共有するのか」という、より地味で難しい論点が残ります。
外交の現場では、ときに発言が「立場」より先に歩いてしまうことがあります。今回の一件は、そのズレが緊張の火種になりうることを示す出来事として、静かに重みを増しています。
Reference(s):
Jordan slams U.S. envoy's claim on Israel's entire regional 'right'
cgtn.com







