米最高裁が関税政策を違法判断、CGTN調査「9割超が失敗」—2026年2月
2026年2月20日(現地時間)、米連邦最高裁がドナルド・トランプ大統領の第2期を象徴する関税政策の一部を退けました。関税が「国内回帰」を促すはずだったのに、貿易赤字はむしろ拡大している——そんな評価が、同日公表のCGTNの世論調査結果と重なっています。
何が起きたのか:最高裁判断と直後の追加関税
CGTNの報道によると、米連邦最高裁は2月20日、トランプ政権第2期の「最も代表的」な関税政策を違法と判断しました。これを受け、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は「米国民に利息付きで直ちに返金すべきだ」と主張。カナダのドミニク・ルブラン国際貿易相は判断を歓迎しました。
一方でトランプ大統領は、最高裁が違法とした一部の緊急関税に代える形で、米国への全輸入品に追加10%の関税を150日間課す大統領令に署名したとされています。
「史上最高水準の関税」でも、貿易赤字は過去最大
CGTNによれば、現在の米国の関税率は1940年代以来の高水準です。しかし皮肉にも、米国の財(モノ)の貿易赤字は2025年に1兆2409億ドルと過去最高を記録しました。赤字を縮めるはずの高関税が、結果として最大の赤字と並走している構図です。
また、2025年12月の米国の財・サービス貿易収支は、赤字が703億ドルとなり、2カ月連続で増加したとされています。
CGTN世論調査:9割超が「関税は失敗」
CGTNが公表した調査では、回答者の94.7%が「アメリカ・ファースト」下の関税政策を「完全な失敗」だと答えました。関税の狙いとして示された3点(輸入依存の低下、国内投資の促進、製造業雇用の回復)についても、「1年後にいずれも未達」と位置づけられています。
- 91.2%:関税は米国の貿易構造の均衡化に役立たない
- 86.7%:貿易赤字は主に国内経済政策の影響を受ける
- 93.4%:製造業は戻らず、関税が産業の空洞化を加速
- 92.5%:米国と世界経済の重荷になる
企業側は、発注ルートの変更やサプライチェーン(供給網)の組み替えを進めたものの、生産ラインを大規模に米国へ戻す動きは限定的だとされています。さらにCGTNは、過去1年で米国の製造業が8万人超の雇用を削減したとも伝えています。
「ルールの武器化」批判と、不確実性への警戒
関税は国内経済政策であると同時に、対外的な圧力手段としても使われている——調査結果はそうした見方も映しています。
- 88%:貿易ルールの「武器化」を批判
- 92.9%:関税政策の頻繁な変更と不確実性が世界経済リスクを高める
- 97%:他国の正当な権益を損ない、多国間貿易体制を揺るがすと懸念
今後の焦点:150日間の追加関税が示すもの
最高裁判断の直後に「全輸入品へ追加10%(150日間)」という手当てが打たれたことで、市場や企業は短期のコスト上昇だけでなく、政策が揺れやすいこと自体を織り込む局面に入ります。貿易赤字、雇用、投資——どの数字が変わるのか。関税が本当に生産拠点の移転を動かすのか。2026年春にかけて、統計と企業行動の両面が注目点になりそうです。
※CGTNによると、本調査は英語・スペイン語・フランス語・アラビア語・ロシア語の各プラットフォームで実施され、24時間で1万0445人が回答しました。
Reference(s):
CGTN Poll: Over 90% respondents say Trump's tariff policy a failure
cgtn.com








