イラク、米大使の「イスラエルが中東全域に権利」発言を強く非難
2026年2月21日夜、イラク外務省は、米国のイスラエル駐在大使マイク・ハッカビー氏の発言を「重大な越権行為(serious transgression)」だとして強く非難しました。主権や領土保全に関わる問題として、地域の安全保障にも悪影響を及ぼしかねない、というのがイラク側の主張です。
何が起きたのか:問題になった発言
発端は、2月20日に公開されたポッドキャスター、タッカー・カールソン氏のインタビューです。ハッカビー氏は、イスラエルには中東全域、または少なくともその大部分を主張する「聖書上の権利(biblical right)」があるとの趣旨で語り、「(中東を)全部取っても構わない(It would be fine if they took it all)」と述べたとされています。
イラク外務省の反応:「国連憲章と国際法に反する」
イラク外務省は声明で、当該発言について「深い非難(profound denunciation)」を表明。次の点を問題視しました。
- 国際法および国連憲章の原則と整合しない
- 国家の主権・独立・領土一体性の侵害に当たる
- 地域の安全と安定に否定的な含意を持つ
また同省は、各国の主権を支持するイラクの立場を改めて強調し、地域の平和と安全のために国際法の厳格な順守を求めました。
なぜ波紋が広がりやすいのか:言葉が持つ「境界線」
この種の発言は、現地の政治・宗派・歴史認識と結びつきやすく、受け止め方が急速に先鋭化しがちです。とりわけ「領土」や「支配」をめぐる言及は、当事国・周辺国にとっては安全保障上のレッドライン(譲れない一線)に触れる可能性があります。
今後の焦点:外交上の火消しと地域の緊張管理
今後の注目点は、発言の扱いをめぐる外交的な調整が進むのか、そして地域の緊張管理にどのような影響が出るのかです。ポイントは大きく3つあります。
- 発言の位置づけ:個人の見解として整理されるのか、公式見解と受け取られうる形で残るのか
- 周辺国の反応:主権・領土に関わる論点として連鎖的に声明が出るか
- 対話の枠組み:国際法を基盤にした言葉選びが回復するか
一つの発言が、国際法、主権、地域秩序という大きなテーマに直結する――。今回のイラクの非難は、その現実を静かに示しています。
Reference(s):
Iraq slams U.S. envoy's claims on Israel's right to all Mideast land
cgtn.com








