中東・アジア各国、米国の駐イスラエル大使発言を共同で非難
中東とアジアの複数国が2026年2月22日、米国の駐イスラエル大使マイク・ハッカビー氏の「イスラエルが地域全体を支配してもよい」と受け取れる発言をめぐり、共同声明で強く非難しました。 発言は地域の安全保障や国際法の観点から波紋を広げています。
共同声明のポイント:何を問題視したのか
各国外務省などが出した共同声明は、ハッカビー氏の発言が「アラブ諸国の領土(占領下のヨルダン川西岸を含む)をイスラエルが支配することを容認する」かのような趣旨を含むとして、強い懸念と非難を表明しました。
- 発言は「危険で扇動的」だとして、明確に拒否
- 国際法および国連憲章への「重大な違反」だと指摘
- 地域の安全と安定に「深刻な脅威」をもたらすと警告
- イスラエルには「占領下のパレスチナ領土」や他の占領地に対する主権はないと再確認
声明はまた、拡張的な政策や違法な措置が続けば、暴力を誘発し、和平の見通しを損なうと警戒感を示しました。
どの国・組織が名を連ねたのか
共同声明は、以下の外務当局・地域機関が参加したとされています。
- 参加国:アラブ首長国連邦、エジプト、ヨルダン、インドネシア、パキスタン、トルコ、サウジアラビア、カタール、クウェート、オマーン、バーレーン、レバノン、シリア、パレスチナ
- 参加機関:イスラム協力機構(OIC)事務局、アラブ連盟事務局、湾岸協力会議(GCC)事務局
発端:ポッドキャストでの「聖書上の権利」発言
声明が名指しで問題視したのは、ハッカビー氏が米ポッドキャスターのタッカー・カールソン氏のインタビュー(2026年2月20日投稿)で語ったとされる内容です。報道によれば同氏は、イスラエルには中東全域、少なくともその大半を主張する「聖書上の権利」があるという趣旨の発言をし、「全部取っても構わない」とも述べたとされています。
相次ぐ反発:イラク、イランなども強い言葉で批判
今回の共同声明以前から、各国の反応は広がっていました。
- イラク外務省(2月21日):発言は各国の主権・独立・領土一体性への侵害で、地域の安全と安定に悪影響を及ぼすと表明
- イラン外務省報道官(2月22日、X投稿):米国がイスラエルの戦争に積極的に加担していることの証左だと主張し、過激なイデオロギー的言辞が違法措置を助長すると批判
- サウジアラビア:発言は「無謀」「無責任」と表現
- ヨルダン:地域諸国の主権への「攻撃」だと反発
- クウェート:国際法の原則に対する「明白な違反」と非難
- オマーン:和平と安定の見通しを脅かすと懸念
- エジプト:占領下のパレスチナ領土や他のアラブの土地に対しイスラエルに主権はないと再確認
また、パレスチナ自治政府はXで、今回の発言が「ドナルド・トランプ米大統領が(イスラエルによる)ヨルダン川西岸の併合を拒否した」こととも矛盾すると述べたとされています。
なぜ今、各国が「共同」で線を引いたのか
今回の焦点は、単なる強い言い回しの是非だけではありません。共同声明は、領土の扱いをめぐる発言が国際法や国連憲章という共通言語に触れる問題であり、現地の緊張や暴力の連鎖を促しかねない、という危機感を前面に出しました。
発言の影響が外交の現場でどう扱われ、当事者・関係国のメッセージが今後どのように調整されていくのか。地域の安全保障と和平プロセスをめぐる議論は、しばらく「言葉の重み」そのものも含めて続きそうです。
Reference(s):
Mideast, Asian countries slam U.S. envoy's Israel land remarks
cgtn.com








