ウクライナ侵攻4年、死者・装備損失・避難…数字で見る両国の傷
2022年2月24日にロシアがウクライナで軍事行動を開始してから、きょう2026年2月24日で4年。国境線の変化やインフラ破壊に加え、人的被害と移動(避難・国外流出)の規模が、改めて重くのしかかっています。
4年で何が積み上がったのか――まずは「数字」
捕虜交換や複数回の和平協議が行われてきた一方で、戦況の長期化は、軍・民間の双方に広い影響を残しました。ここでは、提示されている推計・公表情報をもとに、ロシアとウクライナの被害の輪郭を整理します。
死者数:軍だけでなく、民間人の犠牲も
米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が2026年1月に示した推計では、ロシア側の軍人の死亡は最大で32万5,000人にのぼる可能性があるとされています。負傷者や行方不明者を含めた軍の死傷者は、推計で120万人です。
同じ推計によると、ウクライナ側の軍人の死亡は10万人〜14万人。負傷者・行方不明者を含めた軍の死傷者は50万人〜60万人と見積もられています。
民間人の死亡
- ロシア:7,254人
- ウクライナ:15,954人
ただし、こうした数字は検証が難しく、第三者機関の推計は当局発表と大きく異なる場合があります。ロシアは2022年9月以降、死者数の更新を公表しておらず、当時のセルゲイ・ショイグ国防相(当時)は戦死者を5,937人と述べました。また今月(2026年2月)、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ兵の死亡を5万5,000人と語っています。
軍事的損耗:装備の損失が示す「消耗戦」の現実
人的被害と並んで、装備の損失も大規模です。
ロシアの損失(車両・装備)
- 合計:24,099
- 戦車・装甲車:13,887
- 航空機:361
- 艦艇:29
ウクライナの損失(車両・装備)
- 合計:11,380
- 戦車・装甲車:5,596
- 航空機:194
- 艦艇:42
装備の数字は、前線の力学だけでなく、補給・生産・整備といった“戦争の裏側”の負担を映す指標にもなります。失われた装備を埋めるには時間と資源が必要で、そのしわ寄せは軍だけでなく社会全体に及びます。
「移動」を強いられた人々:国内避難と国外流出
戦争は、住む場所や働く場所、家族の形までを変えます。4年のあいだに、両国で数百万人規模の人の移動が起きました。
ロシア:国内避難と国外流出
- 国内避難民:2025年8月時点で5,000人
- 軍事行動の最初の1年で国外に出た人:約100万人(2022年人口の0.7%)
- その後の帰還:15%〜45%が帰国
- 未帰還:55万人〜85万人
ウクライナ:人口の約4分の1が避難・移住
- 避難・移住者:1,060万人(侵攻前人口4,400万人の24%)
- 国内避難民:690万人
- 国外難民:370万人
国内避難と国外難民は、住宅・医療・教育・雇用といった生活の基盤に直結します。数字の背後には、荷物をまとめる時間すらなかった人、長距離移動の末に家族が離ればなれになった人、帰る場所が見えないまま日々を積み重ねている人がいます。
捕虜交換と和平協議は続くが、重い「4年分」
この4年、捕虜交換や複数回の和平協議が行われてきました。それでも、軍の死傷者、装備の損失、避難・移住の規模は、短期間で解消できる段階を超えて積み上がっています。
戦争をめぐる議論は、しばしば前線の動きや交渉の駆け引きに焦点が当たりがちです。ただ、今回の推計・統計が突きつけるのは、たとえ停戦や合意が視野に入ったとしても、社会の“復元”には長い時間が必要になる、という現実かもしれません。
Reference(s):
Ukraine-Russia: Four years of death, destruction and displacement
cgtn.com








